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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 今世紀最大の地雷を学校で踏んでしまいました。いつきです、こんばんは。
 いえ、地雷というのは冗談ですけど、踏んだのは冗談ですまされないものでした。えっと、ご友人すみません。
 次からもうちょっと慎重に発言するから、泣きそうにならないでーー。
 
 と、まぁ、個人的な話はさておき。
 今日のとある先生との面白(?)やりとり。

 ある国語教員を探していた、私と友人H。職員室に行ってもいないので、同じ国語科の先生に聞いてみることに。

H 「K田先生ってどこにいらっしゃるか、ご存知ですかー」
T山 「え、K田先生……?? えっとね、修学旅行の準備で会議室だな。多分。何、手伝えって言われたわけ?」
H 「いえー、友人を探してまして(地雷踏んだ後だった)」

 そうかー、と言いつつ席を立つT山先生。お、親切にも案内してくださるのか。そう思いつつ、ついていく私たち二人。
 が、しかし、先生が行くのは南棟。ちなみに会議室は職員室(中棟)の下。アレ……??

いつき 「ねぇ、ついて行って大丈夫?」
H 「え、大丈夫でしょ」

 少し遅れてついて行く私たち。それを振り返るT山。

T山 「どうした?」
H・いつき 『いえー』

 それでもついていく私たち。次に中棟へ戻り、職員室の階段に向かう。次こそ会議室へ行くのか?
 が。

T山 「え、今日行く場所よく一緒になるね」

 ………………。

H・いつき 『えっ!!』
T山 「そういや、会議室どうした?」
H・いつき 『T山先生、連れて行ってくださってるんじゃなかったんですかーーー!!』(綺麗にハモる私たち)
T山 「なっ。会議室ゆーたろー(笑)」
H 「だって、先生、さっき『どしたー』って聞いたじゃないですか?!」
T山 「や、どうしてついて来るのかって言う、『どうした』」
いつき 「えー。『どうしてついて来ないんだ』の『どうした』じゃないんですか??(敬語取れかけ)」

 ばかな私たちは居たたまれないまま、会議室へ降りました。(ちなみに結局ついて来てくれたT山先生)

 ふう。今後は友人とのコミュニケーションを密にとろう。


 さーて。第四弾。

+ + + + + + + + + +
『赤い目』



 今日来ると言っていた彼女はいつ来るのだろうかと、文彦は時計を見つつ考えていた。
 夕方と言える刻はもう既に過ぎ、もうじき“夜”になってしまう。
 今まで一度として自分の言葉を翻さなかった椿に、何か起こったのかと心配になる。
 ボーン、と役目のない時計の鐘が、七時の時を知らせた。そろそろ編集者の担当が原稿を受け取りに来る時間だ。
 文彦がそう思い玄関へ向かうと、玄関の外に人影がある。
 しかしそれは数秒待っても動きはしなかった。心のどこかで、『椿だ』と思う自分がいて驚く。
 そんなはずがないという思いと、そうに違いないいう思いが頭の中に半々あった。
 からりと玄関を開けると、その人影ははっと文彦のほうを向いた。
 涙に濡れてはいなかったが、明らかに瞳は赤かった。

「つば……」

「文さんっ」

 驚いたように瞳を見開き、そして何かを隠すように微笑んだ。思っていたよりずっと自然な笑みで、痛々しさもなかった。
 それが余計に悲しさを引き立てているように見える。

「こんばんは。もう原稿は出してしまいました?」
 
 椿の言葉を聞いて、文彦は眉を寄せる。いつもどおり振舞う彼女は、絶対にいつもどおりではないのに、それを上手く表現できない自分に腹が立つ。

「いえ、まだですが。あの、椿さ」

「ならよかった。お邪魔しますね」

 人の話を聞かない。
 こちらの都合も無視する。
 それはここ半年の日常だった。
 文彦は困ったように、それでも少し前までとは違う日常を楽しんで、不快ではなかったことを思い出した。
 それでも今は、どうしてか分からない苛立ちを抱えている。するりといつもどおりに入ってきた椿の顔はほんの少しだけ疲れて見えた。
 先ほどから分かっている目の赤みは、灯りの元でなお一層はっきりとする。

「椿さん。もう七時ですから」

 本当のことを言えば、と文彦は唇を噛む。どうしてそんな顔をしているのか話してほしいと思う。
 何の役にも立たないという自覚はあるが、それでも、聞かないよりはましなはずだ。
 しかし彼女が何も言わない以上、文彦がそれを知る権利はない。聞きたい、と思う権利さえない。
 だから家へ帰そうと思った。何もできないのならせめて、と思うが、その言葉も途中で打ち切られた。

「今日だけっ」

 振り向いた椿の顔は、いやに緊張していた。

「今日が最後ですから。もう、ご迷惑もおかけしません。
文さんの邪魔ももうしませんから、……だから今日だけ、ここにいるのを許していただけませんか?」
 
 ぎゅっと、袴を握る手に力が入る。

「椿さん?」

 それを聞き、今度こそ文彦は椿に近づいて、その肩に手を置いた。椿の顔が俯けられる。
 その視線を追うように、文彦は腰を折り、椿と目を合わせた。

「何か、ありましたか?」

「い、いいえ。ただ、文さんが好きなだけです」

 ぽたりと、椿の右目から涙が落ちた。今まで押さえ込んでいたものが零れるように、一粒頬をすべる。
 そっと頬に触れると、椿は無理やり口角を上げた。情けなくなる笑顔に、文彦はそっと笑いかけた。

「『野色 くちなし』は幸せ者だね」

「私が好きなのは、文さんですよ」

 思いの外強い言葉に気圧されて、文彦は少しだけ椿の肩から手を離した。それでも笑顔は崩さず、椿に向ける顔は穏やかなままだ。
 それを見て、ついに椿はぼろぼろと涙を流し始めた。

「なっ。何で、そんっな目で、見るんですかっ」

「椿さん。私は邪魔されたと思ったことはないですし、迷惑でもありませんよ。
ですから今日は帰って、また明日来て下さい。それではいけませんか? もちろん、原稿は明日お見せしますから」

 文彦の言葉に、椿は今度こそ顔をくしゃりと歪ませた。ふるふると首を振り、縋るように文彦の浴衣を握る。
 何か言おうと口を開き、しかしそれを叶わず口を閉じる。

「ごめんなさい。私、我がまま言ってました。今日は、帰ります」

 そっと、文彦の浴衣から手を離した。
 そしてその代わりのように、自分の袴を握る。涙もまだ止まっておらず、流れるままになっていた。
 それでも笑顔を作ろうとして、何度も痛々しく口角が上がったり下がったりした。

「椿さん?」

「もう、来ません。ここには」

 泣きながら、笑いながら、椿は文彦へ告げた。
 隠しきれない悲しみ見せ付けて、“こんなこと言いたくない”と心の中で叫び続けて、それでも椿は言った。

『もう、来ません』



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