いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
二週間飛ばしてたんで、二つ更新しときます。本当なら来週分も更新しとくべきなんでしょうけど。
まぁ、それは帰ってきてからということで。
うまくすれば、『鐘の音』も更新できる、はず。打ち込んでないので、何とも言えません。
これから少し、買い物に行って来るので(少なくとも、前日に買うものではないものを買ってきます)。
修学旅行でひょっとしたら海入れないかもー。いやー、残念だわ。(思ってない)
体調不良の生徒は観光するらしいので、別にいいです。一応水着はもって行きますが。
デジカメは1GB持っていって撮りまくります。主に城をっ!! 歴史関係をっ!! 怪しまれない程度に……。
まぁ、それは帰ってきてからということで。
うまくすれば、『鐘の音』も更新できる、はず。打ち込んでないので、何とも言えません。
これから少し、買い物に行って来るので(少なくとも、前日に買うものではないものを買ってきます)。
修学旅行でひょっとしたら海入れないかもー。いやー、残念だわ。(思ってない)
体調不良の生徒は観光するらしいので、別にいいです。一応水着はもって行きますが。
デジカメは1GB持っていって撮りまくります。主に城をっ!! 歴史関係をっ!! 怪しまれない程度に……。
+ + + + + + + + + +
『甘い』
「ユキノ」
夕方、というかもう夜。
電源をつけていない携帯電話を開けたり、閉じたりしているといいきなりドアが開かれた。
思わず持っていた携帯を落としそうになり……そのまま落とした。
「ジル」
入ってきた人物を恨みがましそうに見つめると、ジルは一瞬だけひるむ。
が、すぐに部屋に入り、こちらへ向かってきた。心なしか天使のようなお顔が怖いです。
「ユキノ」
いやに真剣に、名前を呼ばれた。
性質(たち)が悪く、聞いた人間が動けないようになる声が、わたしの名を呼んだ。
追い詰められている気がしてならない……実際、追い詰められているわけだけど。
ぐいっと腕を引っ張られて、いきなり抱きしめられた。
いい男に抱きしめられているという実感よりも早く、自分が今何をしているのか分からないという考えのほうが早くわたしの中を占める。
ふわりと妙に安心した。
「生きた心地がしなかった」
ぽつりと言われて、あぁと頷いた。
「ルークがわたしを殺すと思った?」
「殺すことはないと思った」
だが人はひどく脆い。俺たちに比べて人はとても壊れやすい。
「身体(からだ)も精神(こころ)も」
ぎゅっと力を入れられて、その力の強さに眉を顰める。
その力の強さが心配の大きさなら、心配をかけてしまったわたしはその痛みを甘んじて受けなければいけないのだろう。
『痛い』という言葉が出ず、出すことなく呑み込んだ。
「人と俺たちは違う」
当たり前のことだ。わたしがいつも身にしみて感じていることだ。
「知ってる」
だからだろうか。
「俺はいつか、気がついたら……ユキノがいなくなってるんじゃないかと思う」
それは正しい。わたしはもともと、この世界の人間ではないのだから。いずれ時が来れば元に戻るだろう。
いつか、帰れるだろう。そう、いつか分からないけど、その『何時か』はきっと来ると信じている。
「俺はそのとき、どうすると思う?」
聞かれて一番に、寂しそうに笑うジルの姿が浮かんだ。
「わたしを、探さないと思う」
「ユキノが、望んでいなくなったら、そうだろうな」
俺は臆病だから。
その意味が図れず、ジルの腕の中で首を傾げると、ジルは『分からなくていい』と笑った。『分からなくていい』のに、どうしてわたしに言ったりしたんだろう。
「ユキノ。俺は、民にとっても人間にとっても理解ある王でいたい」
それは間違っているか?
「いいえ」
それは一番、あなたらしい考え方だと思う。
「民だけよければいいと、思いたくない」
「知ってる」
魔王様らしくない魔王のあなただから。
「誰も傷ついてほしくないという俺の考えは――甘いだけか」
甘いの、だと思う。誰もが傷つかず、事を解決するにはもうすでに血を流しすぎたのだ。この闘いは。
「偽善な、だけなのか?」
誰も傷つかない戦い。そもそもそれが矛盾なのだから。
その考えは初めから矛盾に満ちているはずだ。戦いは血を流すものだ。だから戦いと言う。
血を流さない戦いなんて、ありえないのだと思う。
「平等な条約なら、人もきっと条約を結ぶと思う」
だけど、ジルにこんなことを言うわたしは、そんなジルの助けになりたいと思っているのだろうか。
「条約を結べば、人もあなたたちも、ある程度は闘わずに済む。五百年前のように」
抱きしめられた体が痛い。力の強さに目を瞑り、ジルの背中を二度叩いた。
「ジル。わたしたちは、思ったよりもずっと簡単に手を結ぶことができると思う」
そう思ってしまうのは、平和な国で暮らしていたからなのかと疑問に思う。多分、そうなのだろう。
戦争を知らない。親でさえ、その現実を知らないのだから、こどものわたしたちがそれを知るはずもない。
「人も、あなたたちもむやみに殺し合いはしたくないのなら、どうして手を結ぶことができないの?」
「互いに、牽制する支配者がいないからだ」
五百年前、条約を結べたのは、賢者が現れたからだけではなかった。
「人間と俺たちの側、魔族側両方に優れた支配者がいたからこそ、牽制しあえた」
双方が互いに監視し、力の拡大を許さなかったから。
それだけの力をお互い持ちつつ、それを闘いに使いたくなかったからこそ条約は成立し、共に栄えた。
「だが今は違う」
「そんな……」
「俺にそんな力はない」
父のような力は俺にない。俺に父のような支配力はない。
「俺は自分の心を偽ってまで、国のために何かすることはできない」
ジルの迷いがわたしには見えなかった。
民を大切だと、自分は魔王だからと言った彼もジルのはずで、わたしにはジルが立派な魔王に見えるのに、何がいけないのか分からない。
だけど多分、わたしには見えない何かがジルの中にはあるのだろう。
「じゃぁ、ジルは……人々が傷つけあって、血を流して、それで平和が」
「そうではない!!」
ジルがわたしの言葉を遮った。体に回る手の力がいよいよ強くなる。
「血を流して手に入れた平穏は、本当の意味での平和ではない」
ジルの声が苦々しく響く。
闘うことも、条約を結ぶことも選べないジルが、納得する答えは存在するのだろうか。わたしはどう返したらよいか分からず沈黙した。
「どうしたいの?」
「分からない」
数百年生きているはずのジルでも分からない方法が、二十年も生きていないわたしに分かるはずもなかった。
16話
「ユキノ」
夕方、というかもう夜。
電源をつけていない携帯電話を開けたり、閉じたりしているといいきなりドアが開かれた。
思わず持っていた携帯を落としそうになり……そのまま落とした。
「ジル」
入ってきた人物を恨みがましそうに見つめると、ジルは一瞬だけひるむ。
が、すぐに部屋に入り、こちらへ向かってきた。心なしか天使のようなお顔が怖いです。
「ユキノ」
いやに真剣に、名前を呼ばれた。
性質(たち)が悪く、聞いた人間が動けないようになる声が、わたしの名を呼んだ。
追い詰められている気がしてならない……実際、追い詰められているわけだけど。
ぐいっと腕を引っ張られて、いきなり抱きしめられた。
いい男に抱きしめられているという実感よりも早く、自分が今何をしているのか分からないという考えのほうが早くわたしの中を占める。
ふわりと妙に安心した。
「生きた心地がしなかった」
ぽつりと言われて、あぁと頷いた。
「ルークがわたしを殺すと思った?」
「殺すことはないと思った」
だが人はひどく脆い。俺たちに比べて人はとても壊れやすい。
「身体(からだ)も精神(こころ)も」
ぎゅっと力を入れられて、その力の強さに眉を顰める。
その力の強さが心配の大きさなら、心配をかけてしまったわたしはその痛みを甘んじて受けなければいけないのだろう。
『痛い』という言葉が出ず、出すことなく呑み込んだ。
「人と俺たちは違う」
当たり前のことだ。わたしがいつも身にしみて感じていることだ。
「知ってる」
だからだろうか。
「俺はいつか、気がついたら……ユキノがいなくなってるんじゃないかと思う」
それは正しい。わたしはもともと、この世界の人間ではないのだから。いずれ時が来れば元に戻るだろう。
いつか、帰れるだろう。そう、いつか分からないけど、その『何時か』はきっと来ると信じている。
「俺はそのとき、どうすると思う?」
聞かれて一番に、寂しそうに笑うジルの姿が浮かんだ。
「わたしを、探さないと思う」
「ユキノが、望んでいなくなったら、そうだろうな」
俺は臆病だから。
その意味が図れず、ジルの腕の中で首を傾げると、ジルは『分からなくていい』と笑った。『分からなくていい』のに、どうしてわたしに言ったりしたんだろう。
「ユキノ。俺は、民にとっても人間にとっても理解ある王でいたい」
それは間違っているか?
「いいえ」
それは一番、あなたらしい考え方だと思う。
「民だけよければいいと、思いたくない」
「知ってる」
魔王様らしくない魔王のあなただから。
「誰も傷ついてほしくないという俺の考えは――甘いだけか」
甘いの、だと思う。誰もが傷つかず、事を解決するにはもうすでに血を流しすぎたのだ。この闘いは。
「偽善な、だけなのか?」
誰も傷つかない戦い。そもそもそれが矛盾なのだから。
その考えは初めから矛盾に満ちているはずだ。戦いは血を流すものだ。だから戦いと言う。
血を流さない戦いなんて、ありえないのだと思う。
「平等な条約なら、人もきっと条約を結ぶと思う」
だけど、ジルにこんなことを言うわたしは、そんなジルの助けになりたいと思っているのだろうか。
「条約を結べば、人もあなたたちも、ある程度は闘わずに済む。五百年前のように」
抱きしめられた体が痛い。力の強さに目を瞑り、ジルの背中を二度叩いた。
「ジル。わたしたちは、思ったよりもずっと簡単に手を結ぶことができると思う」
そう思ってしまうのは、平和な国で暮らしていたからなのかと疑問に思う。多分、そうなのだろう。
戦争を知らない。親でさえ、その現実を知らないのだから、こどものわたしたちがそれを知るはずもない。
「人も、あなたたちもむやみに殺し合いはしたくないのなら、どうして手を結ぶことができないの?」
「互いに、牽制する支配者がいないからだ」
五百年前、条約を結べたのは、賢者が現れたからだけではなかった。
「人間と俺たちの側、魔族側両方に優れた支配者がいたからこそ、牽制しあえた」
双方が互いに監視し、力の拡大を許さなかったから。
それだけの力をお互い持ちつつ、それを闘いに使いたくなかったからこそ条約は成立し、共に栄えた。
「だが今は違う」
「そんな……」
「俺にそんな力はない」
父のような力は俺にない。俺に父のような支配力はない。
「俺は自分の心を偽ってまで、国のために何かすることはできない」
ジルの迷いがわたしには見えなかった。
民を大切だと、自分は魔王だからと言った彼もジルのはずで、わたしにはジルが立派な魔王に見えるのに、何がいけないのか分からない。
だけど多分、わたしには見えない何かがジルの中にはあるのだろう。
「じゃぁ、ジルは……人々が傷つけあって、血を流して、それで平和が」
「そうではない!!」
ジルがわたしの言葉を遮った。体に回る手の力がいよいよ強くなる。
「血を流して手に入れた平穏は、本当の意味での平和ではない」
ジルの声が苦々しく響く。
闘うことも、条約を結ぶことも選べないジルが、納得する答えは存在するのだろうか。わたしはどう返したらよいか分からず沈黙した。
「どうしたいの?」
「分からない」
数百年生きているはずのジルでも分からない方法が、二十年も生きていないわたしに分かるはずもなかった。
16話
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無題
「陛下」から「さん」に格下げされたようだ。
実は私も試験前日に風邪をひいて、昨日熱が下がったばかりなのだ。
よかった。風邪ひいたから私馬鹿じゃないわ。
試験には死ぬ気で臨んだが、数学ひとつ40点以下とりそうな予感。いや、予言。
当たったらなんかくれ。
てなことで、もしかしたら私も海に入れないかもしれん。生魚をみたいのは山々だが…。
もし揃って観光なんてことになったら一緒にだべろうぜ。
なんか頭ぼーっとしとる。
いつきさん、盗撮は犯罪です。
ほら、法的手段に出る覚悟もあるとかって言ってるよ。城が。
実は私も試験前日に風邪をひいて、昨日熱が下がったばかりなのだ。
よかった。風邪ひいたから私馬鹿じゃないわ。
試験には死ぬ気で臨んだが、数学ひとつ40点以下とりそうな予感。いや、予言。
当たったらなんかくれ。
てなことで、もしかしたら私も海に入れないかもしれん。生魚をみたいのは山々だが…。
もし揃って観光なんてことになったら一緒にだべろうぜ。
なんか頭ぼーっとしとる。
いつきさん、盗撮は犯罪です。
ほら、法的手段に出る覚悟もあるとかって言ってるよ。城が。
Re:無題
数学、二日目?? 二日目だよね!!(表が全くできなかった人)
そっかー。じゃあ、泳ぐの止めようかな。ちなみに私は体調不良ではないですので、観光するんならはしゃぐよ!!
撮りまくるよ。あ、生魚はね、防水してあるそういうの専用のカメラをもっていく子がいるので、焼き増ししてもらうつもり。
城ーー。隠し撮り?? 堂々と撮りますとも(笑)
そっかー。じゃあ、泳ぐの止めようかな。ちなみに私は体調不良ではないですので、観光するんならはしゃぐよ!!
撮りまくるよ。あ、生魚はね、防水してあるそういうの専用のカメラをもっていく子がいるので、焼き増ししてもらうつもり。
城ーー。隠し撮り?? 堂々と撮りますとも(笑)