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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 はい、もう自棄です。笑っちゃってください。更新できて一番嬉しいと思っているのは、実は私です。
 後、数話!! と、一人で小躍りしています。完結させるのって難しいことですから、完結するだけで自分の中では大満足です。
 
 私はすごく飽きっぽいので、書くときには一気に書き上げます。(だから短編が好き)逆にだらだらしてると、もうお蔵入り。
 なので、『早く書きなさい!!』といってくれるお友達はとても貴重です。(いつもありがとう、Mちゃん)
 この間言った(書いた?)、三姉妹モノはとろとろとしか進んでいません。お蔵入りに片足突っ込んでます。
 長女の話(つまりは2話目)で、つまずいています。こんなことなら、次女の次は三女にすればよかった……。

 そういえば、今日は本屋さんに行ってきました。この間載せた、短編よろしく店員さんにばっちり顔を覚えられていました。
『いつもいらっしゃいますよね(ニコ)』
 ……へらりとしか笑えなかった私を許してください。まさか本当に覚えてくれている店員さんがいるなんて思わなかったんです。女性の店員さんでしたが。

 お話は変わりますが、有川先生が出ていらしたトップランナーはこれから見ます!! また感想載せたいと思っていますのでよろしければそちら
もどーぞ。


 と、いうことで、いよいよ次回は最終になると思います。

+ + + + + + + + + +
幾つもの言い訳を繰り返す。
幾つもの言葉で自分を騙す。

この心は、この気持ちは、決して恋心ではないと言い聞かせる。

この心は、この気持ちは、王女へ対する絶対的な忠誠心だ、と。

多分それは、いつも近くに居過ぎたから、離れがたくなってしまっただけだ、と。

護りたいと思う人は、この国で最も美しく、この国で最も気高い少女。

守りたいと思う人は、この国で最も聡明で、この国で最も優しい少女。

政治に類稀な才能を持ち、大臣たちでさえ圧倒する知識と頭脳を持つ。

賢君ユリアス王が、跡継ぎと認めた――次なる王。

剣を振り回すようなお転婆姫と呼ばれながらも、年頃の少女らしく花を愛でる。

そんな少女をいつだって近くで見ていた。一番近くで、一番長い間。

だから、その少女のことは誰よりも知っているつもりでいたのに……。いつの間にか距離があった。

初めて『リシティア様』と呼んだ時の、あの時の顔が忘れられない自分がいる。

今のように、感情を隠すことに慣れていなかったティアは呆然としていた。

『アレク……?』と問いかけるような呼ばれた名前が、ひどく痛かった。

手に入らないということは、出会う前から分かっていたのに。

どんなに求めても、どんなに欲しても、『ボールウィン家のアレクがリシティア姫を手に入れた』としか言われない。

『アレクがティアを求めた』なんて言われないのだ。

本当の意味で、手に入ることなんてないのなら、手に入れることさえ望まない。ティアがそれを望まないから。

それに彼女は多分、国のためにどこかへ嫁ぐつもりでいるのだ。どこかの、大きくて、経済力のある大国へ。


もしかしたら、国交回復のために寒国―ロッラール―に嫁ぐのかもしれない。

そんなことしなくてもいいと言えたら、……言って欲しくないと言えたら、何か変わるだろうか。

この三年間で築き上げてきた、主と護衛の距離は。




わたしはアレクの血で汚れている

俺は自分の欲望で汚れている


わたしは二度過ちを犯した

俺は何度も道を違えた


わたしはアレクに守られて 傷付けた

俺はティアを守ったつもりで 傷付けた


守りたかったのに 守れない  守ろうと伸ばした手は届かず 宙しか掴めない

守ることさえできず

守るばかりか


失いたくないくせに 守りたいくせに 

一番手っ取り早い『離れる』という方法も取らない

離れるのが

いなくなるのが


一番いい方法だと知っているのに 頭では分かっているのに

それでも どうしても

傍にいて欲しいと

傍にいたいと


思うのはどうして?

それはきっとね

それはきっと


相手が大切で でもそれを許されないことだと 知っているから

気持ちを伝えれないから これくらいは許されると

気持ちを持つことを許されないから これくらいは許して欲しいと


無意識に心が求めているから

一秒でも長く

一瞬でも多く


相手の存在を感じていたいと思うから

でも そう思っても 罪は消えない

罪は  過ちは  どうしたら償うことができる?  なかったことになる?

いっそ素直に言ってしまえば

いっそ思い切って伝えてしまえば


楽になるのに

悩まなくて済むのに

その笑顔を 声を 心を 失いたくなかったと

でもそれは 言うことを許されない言葉  その言葉が持つ意味は深く
そして温かいけれど

絶対……絶対 言えない  言ってはいけない言葉  それは均衡を崩す呪文

願わくは 一緒にいたいのに

しかし それさえ望むことが罪ならば

せめて  祈らせてください

「幸あらんことを」

「福訪れんことを」


「神の加護をあなたへ」

「神の祝福をあなたへ」


もう わたしには こう願う資格さえ持たないのかもしれないけれど

もう  俺には  祈る資格さえ持たないのかもしれないけれど


星に願い

月に祈る

願うだけでも 

意味はあるはずだから

無駄なんてないと思うから



 アレクは少しずつ、少しずつゆっくりとティアに話し始めた。まるでお伽噺でもするように――。
 まるで小さな子どもに秘密の話をするように――。優しく、丁寧に、それでも少しだけ悲しそうに、恥ずかしそうに。
 遠い昔のことを……。沢山の優しい言葉と共に、本当のことを。騎士になろうとしたきっかけの、ティアさえも忘れているような変化。そしてボールウィン大臣の言葉。


 意地になった気持ちと、隠しておきたい思いは意図的に伏せた。伏せないと格好がつかないから。
 アレクはその気持ちと想いを心の底にある箱に押し込んで、蓋をした。綺麗なまま、汚れないように、大切にしたいから。自分の打算しかない心に汚されないように。
 捨てられない想いは封印してしまおうとした。捨てられず、かと言って本人にも伝えられない想いは、そっと沈んでいく。もう、開くことはない宝箱。

 絶対に、ティアが聞くことのない、告白と共に。



 ティアは責めることなくその話を聞いていた。小さな微笑を浮かべながら、そっと眉をハの字に下げた。
 望んではいけない事と、言ってはいけない言葉を飲み込むのに必死で、口を開くことさえできなかった。閉じ込める事に、全ての神経を注いでいた。その言葉と想いを、頭の片隅に押しやり、考えないようにする。


 頭の中のずっと、ずっと奥にある部屋に閉じ込めて、扉に鍵をした。その時のまま色褪せないように。残しておきたいから。
 その気持ちたちは決して消えてはくれないものだから、せめて今だけでも忘れようとした。少しの間だけ、考えないようにしたかった。

 絶対に、アレクには言うことのない、囁きと共に。




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