いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
とことんやる気なくってすみません。さすがに十ヶ月もお付き合いしていた小説を終わらせると、燃え尽き感が大きいです。
燃尽無気力症候群、そんな感じで日々すごしております。(虚脱感がすごい)
昨日、企画を更新しようと思ったんですが、暴言吐きまくりの激怒中だったんで止めました。
怒ってるときに小説書くと、どうもいやな文章になっちゃうんで。
とことで、『シンデレラ・ティース』読み終わりました。好きだからこそ、あっさりな終わり方にちょっと不満。
続きが出てもいいなぁ、という終わり方でした。坂本司さん、ちょっと注意して本屋に行こうと思います。
はまるとついつい同じ作者さん買っちゃうんです(有川さん然り)。
よし、企画。
当分長編を書く気がない(気力がない)ので、ちまちまプロットしか書いてません。
短編に手を出して、満足してます。
燃尽無気力症候群、そんな感じで日々すごしております。(虚脱感がすごい)
昨日、企画を更新しようと思ったんですが、暴言吐きまくりの激怒中だったんで止めました。
怒ってるときに小説書くと、どうもいやな文章になっちゃうんで。
とことで、『シンデレラ・ティース』読み終わりました。好きだからこそ、あっさりな終わり方にちょっと不満。
続きが出てもいいなぁ、という終わり方でした。坂本司さん、ちょっと注意して本屋に行こうと思います。
はまるとついつい同じ作者さん買っちゃうんです(有川さん然り)。
よし、企画。
当分長編を書く気がない(気力がない)ので、ちまちまプロットしか書いてません。
短編に手を出して、満足してます。
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『紙切れの真相 その一片』
毎週三日の声楽室通いが、そろそろ板に付いた頃。本を返すのをすっかり忘れていたことを思い出した。
『声楽室』としか書かれていない紙が挟まっていた本。
どうせ借りる人もいないから、とは思うものの返却期限を一日過ぎていた。
図書室はいつもどおり、人の少ない、静かなところだった。放課後だが、教室の周りはまだ煩い。
それなのに図書室へ入った瞬間、その喧騒はひどく遠くへ入った気がするのだ。
そして、ここには自分しかいないのではないかという錯覚に陥る。係りの人は前回と同じ人。
多分、同級生だったと思う。
「これ、ごめんなさい、返し忘れちゃってて……」
冷たい視線を受けると、言葉は尻すぼみになる。こっちが悪いのは事実だから、怒られても仕方ないんだけど。
「あのさ、あんたのクラスにもう一人、『なつき』ってつく人、いる?」
急に話しかけられて、びくりとする。え、何、この人。いきなり何なの。
遅れたことに何か関係でもあるの?
「え?」
「だから、あんた以外に『なつき』ってつく人」
あんた、夏樹 鈴さんでしょ? 図書カードをひらりとさせ、彼は小さく笑った。
「えっと、名前のほうだけど『夏葵』って子は、いますけど」
そういうと、彼はひどく不快そうな顔をした。う~ん、と腕を組んでイスの背にもたれ掛かる。
「もう一つ、紙、見つけた?」
またドキリとする。だから、何なの、この人。名前は知られているのに、こっちは知らない。
それって不公平だと思うけど、それを口にするのは憚られた。どうもこの人と話するのは嫌い。
無表情って言うか、自分の言いたいことしか言わずに、人の話を聞かないと言うか。
「紙って」
「俺が挟んだ紙」
てっきり『なつき』って一人だと思ってたから、本に挟んだんだけど、失敗かもな。
「な、何が、ですか?」
カチン、と何かがはまる。
何かを予想する。
『アキ』が言い淀んだのはどうして? 『アキ』がどうして、『で、紙を本の間に挟んだの?』という問いに、少し迷って答えた?
「あなた……」
「残念ながら、俺はあいつじゃない」
分かってる。声も違うし、話し方も違う。
私の知っている『アキ』はこんな話し方しない。人を試すような、意地悪そうな話し方はしない。
「俺は頼まれただけ。『なつき』って人に、紙を渡してって」
ドキリ、と何度目か分からない動悸に眩暈がする。
どうすればいい? 今日は火曜日、明日待って聞いてみる?
「ちょっ。どこ行くんだ?」
「関係ないでしょ!!」
足が動き出した。
知らず、走り出す。目的地は、あそこしかない。
「はぁ、はっ、はっ」
図書室は二階、声楽室は四階、走って疲れるような距離でもないはず。なのに、息は上がって、足が震えている。
ドン、と壁に手をつく。何がしたいのか、私にも分からない。だけど足はここへ向いていて、他に行くところもなかった。
声楽室に始めて入った。高校に入って、音楽とは無縁の生活だった。中学までの音楽も、特別成績がよかったわけでもないし。
思っていたよりずっと狭く、ほこりっぽかった。つまり……、人があんまり入ってないってこと。
本当にアキは今までここにいたんだろうか。
そして、アキが本当に会いたかったのは、私なんだろうか。
毎週三日の声楽室通いが、そろそろ板に付いた頃。本を返すのをすっかり忘れていたことを思い出した。
『声楽室』としか書かれていない紙が挟まっていた本。
どうせ借りる人もいないから、とは思うものの返却期限を一日過ぎていた。
図書室はいつもどおり、人の少ない、静かなところだった。放課後だが、教室の周りはまだ煩い。
それなのに図書室へ入った瞬間、その喧騒はひどく遠くへ入った気がするのだ。
そして、ここには自分しかいないのではないかという錯覚に陥る。係りの人は前回と同じ人。
多分、同級生だったと思う。
「これ、ごめんなさい、返し忘れちゃってて……」
冷たい視線を受けると、言葉は尻すぼみになる。こっちが悪いのは事実だから、怒られても仕方ないんだけど。
「あのさ、あんたのクラスにもう一人、『なつき』ってつく人、いる?」
急に話しかけられて、びくりとする。え、何、この人。いきなり何なの。
遅れたことに何か関係でもあるの?
「え?」
「だから、あんた以外に『なつき』ってつく人」
あんた、夏樹 鈴さんでしょ? 図書カードをひらりとさせ、彼は小さく笑った。
「えっと、名前のほうだけど『夏葵』って子は、いますけど」
そういうと、彼はひどく不快そうな顔をした。う~ん、と腕を組んでイスの背にもたれ掛かる。
「もう一つ、紙、見つけた?」
またドキリとする。だから、何なの、この人。名前は知られているのに、こっちは知らない。
それって不公平だと思うけど、それを口にするのは憚られた。どうもこの人と話するのは嫌い。
無表情って言うか、自分の言いたいことしか言わずに、人の話を聞かないと言うか。
「紙って」
「俺が挟んだ紙」
てっきり『なつき』って一人だと思ってたから、本に挟んだんだけど、失敗かもな。
「な、何が、ですか?」
カチン、と何かがはまる。
何かを予想する。
『アキ』が言い淀んだのはどうして? 『アキ』がどうして、『で、紙を本の間に挟んだの?』という問いに、少し迷って答えた?
「あなた……」
「残念ながら、俺はあいつじゃない」
分かってる。声も違うし、話し方も違う。
私の知っている『アキ』はこんな話し方しない。人を試すような、意地悪そうな話し方はしない。
「俺は頼まれただけ。『なつき』って人に、紙を渡してって」
ドキリ、と何度目か分からない動悸に眩暈がする。
どうすればいい? 今日は火曜日、明日待って聞いてみる?
「ちょっ。どこ行くんだ?」
「関係ないでしょ!!」
足が動き出した。
知らず、走り出す。目的地は、あそこしかない。
「はぁ、はっ、はっ」
図書室は二階、声楽室は四階、走って疲れるような距離でもないはず。なのに、息は上がって、足が震えている。
ドン、と壁に手をつく。何がしたいのか、私にも分からない。だけど足はここへ向いていて、他に行くところもなかった。
声楽室に始めて入った。高校に入って、音楽とは無縁の生活だった。中学までの音楽も、特別成績がよかったわけでもないし。
思っていたよりずっと狭く、ほこりっぽかった。つまり……、人があんまり入ってないってこと。
本当にアキは今までここにいたんだろうか。
そして、アキが本当に会いたかったのは、私なんだろうか。
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