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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 す、みません……。えらくアクセス回数が多いので、不思議に思っていると火曜日が過ぎてました。
 しかも火、水と同じ方が何度もアクセスしてくださってるっ。ごめんなさいーー。
 ここ二日間パソコンを触っていなかったので、いつもは気づいて知らせてくださる方ともお話できていなかったのです。(どこまでも他力本願)
 今回は少し短め。
 ここで切らなきゃ、当分切れないので。

 八雲の発売日明日じゃないですかーー。模試の勉強なんてしてられないですねっ。読まなければ。
 十一月二十六日にはドラマCDも発売とか。

 八月といえば、『獣の奏者』の続編が発売されましたね。読みたい、ほしい。けど高い。
 調べてみると……、アレ、十 一 年 後 の世界……。母……えっ、誰が?? イアルとエリンが――いつ、何でっ。
 えっと、とりあえず読んでからじゃないと分かりませんが、すごいことになっている気がします。
 十一年か、その間に何があったのか、非常に楽しみ。
 

 まぁ、まず買い溜めといたコバルト読みます。(惰性で読んでいる気がしてならない)

+ + + + + + + + + +
『寂しい、優しい、どちらも泣きそうなもの』




「不安か?」

 突然、そんなことを聞かれる。

「はっ?」

 思わず聞き返したわたしにジルは困ったような顔をする。
 柔らかな瞳も、眉を下げる表情も、無表情の顔からは想像できないくらい優しくて、本当に、魔王様になんて見えなかった。

「不安でないはずないな」

 頭に手を回され、今度はわたしの頭がジルの肩に乗った。
 そして不意に泣きそうになった。
 自分でもどうしてかわからないけれど、何にも泣きたくなるようなことはなかったのに。ノアに言われたことさえ、我慢できたのに。

 涙が  こぼれそうになった。

「この国には、全くといっていいほど賢者の資料がない。
だから色々言う者もいるだろう。いきなり知らない国につれてこられて不安だと思うが、我慢してくれ」

 不安だった?
 確かにそう感じていた。来たばかりのときに動いていた携帯の時計も一分動いた後、進まなくなってしまった。
 それが怖くて、どこにもメールが打てず、机の引き出しにしまいこんだ。
 もしメールが送れなくなったのを、電話がかからないのを知ってしまったら、わたしと元の世界のつながりがプツリと切れてしまうような気がしていた。
 だから見ないようにした。
 不安になるようなものは視界から、思考から追い出した。賢者様らしく生きることに神経を注いだ。
 そうしなければ不安と恐怖に押しつぶされそうだったから。それでも周りにはばれないと思っていた。

 わたしをそこまで見る人は、この世界にもいない気がした。
 元の世界にもいないように、ここもまた、わたしにとっては偽りの関係でしかないのだと思っていた。
 なのに、ジルがそんなことを言うから、無性に嬉しくなって……そして無性に悲しくなった。
 元の世界にいた十六年間はいったいなんだったのかと、無性に悲しくなった。
 ジルの言葉が嬉しかったのも事実だったが、どこまでも意地っ張りなわたしはその優しさに頼ることができなかった。

「わたしは賢者です。我慢する前に疑っている人たちをどうにかするでしょ」

 そんな強がりを知ってか知らずか、ジルは小さく笑うとわたしの頭に手を置きくしゃりと撫でた。

「世話をかけるな、賢者殿」

「滅相もございません、魔王様」

 わざとらしいセリフに返事をして笑った。
 こっちの世界へ来てから、いや向こうにいた時間を含めても、これほど自然に笑ったのは久しぶりな気がした。




 部屋へもどり、ベッドに腰を下ろした。そして今日手に入れた情報を整理する。ここ数日間の日課だった。

「賢者の資料はほとんどなく、あっても信憑性に欠ける……が、何故か写真は残っている」

 気になって写真を見せてもらったのだが、わたしなんかよりずっと美人だった。
 と、いうか、あなたを語ってごめんなさいと謝罪するくらいの超美人。似ている、と言っても共通点は黒髪黒目だけだ。

「ノアはわたしが偽者だと知っている――が、ジルは知らない」

 人に聞かれてはまずいので小声で口に出す。どんどん整理できている気もするし、そうでない気もする。

「ジルの性格によって大臣たちはジルが魔王にふさわしくないと思って……ジルの身の安全は大丈夫なの?」

 整理しては新しい疑問が出て、こんがらがりそうになった。そして一番の問題を口に出す。

「わたしの口から出た言葉、誰の言葉?」

『あなたは誰?』

 自分自身に問いかけるが、当然のごとく返ってくる答えはなかった。
 はぁ、とついたため息が予想以上に疲れて聞こえる。今日は色々なことがありすぎて体が参っているのだと勝手に結論付けた。
 こういうときは寝るのが一番だろう。

 重い、それでもこの世界では軽装らしいドレスを脱ぎ、用意されていた寝巻きに袖を通す。
 絹製らしく、ヒンヤリとしていてツルツルとした肌触りが気持ちいい。
 庶民のわたしからしてみれば、寝巻きが絹って勿体ない気もするけど。

 ベッドに入る前に机の引き出しを引き、入っている携帯を確認した。
 念のために電源は切ったままにしている。ここには充電器もコンセントも――というか電気自体ないみたいだし。
 恐々と携帯を手に取り電源を入れる。この世界に来てからもう一週間以上たっているにも拘らず、時計は全く進んでいなかった。
 新着メールも着信もなかった。来たばかりのときには立っていたアンテナさえも立っていない。
 諦め半分、落胆半分で電源を切る。完全に元の世界とのつながりが切れてしまったことを自覚し、携帯を取り落としそうになった。

『怖い』

「何、が?」

『怖い?』

「だ、れ?」

『怖いの?』

 ばん、と思わず机を叩いた。
 耳の奥で響き続ける声は鳴り止むことなく聞こえる。その気味の悪さに身震いした。
 自分の声が頭の中でこだまする。耳をふさいでも効果がなかった。

『怖がることなんてないわ。だって、私はあなただもの。あなたは――私だもの』

 そしてその声は突然聞こえなくなった。
 そのことに安堵しつつ、震えそうになった足を叱責する。携帯を再び戻し、引き出しを閉めるとベッドにもぐりこんだ。

「大丈夫」

 何の根拠もないそれで、安心することができなかった。




                           8話
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