いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
週末にパソコンを修理に出すそうなので、当分更新はできないと思います。パソコンを何日触らずにいられるか……。心配です。
今回もアレク出なさそうですね。いや、最後に出てくるのかな? 微妙なところです。
ところで、一つ、主張したいことがあるのですが……。
アレクはヘタレじゃないからね!! ティアを大事にしてるだけだからね!!
友人に
「ヘタレだよね」
と言われたので一応。
今回もアレク出なさそうですね。いや、最後に出てくるのかな? 微妙なところです。
ところで、一つ、主張したいことがあるのですが……。
アレクはヘタレじゃないからね!! ティアを大事にしてるだけだからね!!
友人に
「ヘタレだよね」
と言われたので一応。
+ + + + + + + + + +
「姉様ぁ。ティア姉様。おたんじょう日、おめでとう」
十一歳にしては少し幼い口調。ティアのことを『姉様』と慕い、よく懐いているのはティアの異母弟であり、王子でもあるシエラだ。
ティアより少しくすんだブロンドに深い、深い碧眼を持つ。
「ありがとう、シエラ。素敵な木箱ね。わたし、一番お気に入りのネックレスをここに入れるわ。いい?」
にこりと笑顔を返し、シエラの頭を撫でながら、プレゼントの木箱を眺めた。
釘が一本も使われず、全て木で出来ているという木箱は美しい漆で装飾されており、彫りも繊細で美しかった。
「うん、いいよ!! たくさんいれてね。僕とお揃いなんだ!!」
そう言って笑うシエラは、今跡継ぎ問題の渦中にいるなんて知らないだろう。
ティアはそれを知らせるつもりもなかった。可愛い弟の笑顔を曇らしたくない。自分が一人、我慢すれば言いだけの話だ。つまらない政治の道具なんかにシエラを使って欲しくない。
「そう、シエラとお揃いならわたしずっと使うわ。シエラの誕生日にはわたしとお揃いの何かを贈りましょうね。姉さま、今日から毎日考えなくちゃ。シエラが喜びそうなもの。何か欲しいものがあったらこっそり教えてね」
そう言うとシエラは急いで走ってきて、ティアに屈むようにお願いした。ティアはシエラの口が耳に来るように屈む。
こそこそとシエラが何か耳打ちすると、ティアは見る間に嬉しそうな顔をした。
「そうね。それがいいわ。シエラの誕生日が今から楽しみね。九月の誕生日パーティーが楽しみ」
王と、現王妃のヴィーラが嬉しそうにその対話を見ていた。
普通なら現王妃のヴィーラが自分の息子を王にしようとティアを狙うはずなのだが、ヴィーラはそんなこと関係ないというように振舞っている。実際、欲のない人で、そもそもヴィーラは王に恋をして、結婚したので王の娘であるティアも大変可愛がっていた。
「ユリアス、本当によかったわ。一時はどうなるかと思ったのよ?」
王にそう問いかけるが、王は元気なさ気に笑った。
「そうだな。でもわたしももう後僅かだよ。こんなに早く逝くとクラリスに怒られそうだけど……」
そう言う王は確かに生気と言うものが感じられず、元気な頃に比べると一回りも二回りも小さくなった気がする。ヴィーラは為す術もなくそれを見ていた。
「お父様」
「とぉさま」
そこに笑顔で二人がやってくる。王と王妃は笑顔で迎えた。
「シエラ。お姉様にプレゼントは気に入ってもらえましたか?」
「うん、母様」
「もちろんです。王妃」
『王妃』と呼ばれたヴィーラはそっと顔に影を落とした。するとティアは慌てて「お母様」と言い直す。
「お母様。この見立てはお母様なんですって? すごく綺麗。わたし、大切にします」
そう言うと、シエラにもう一度ありがとう、と呟いた。
「ねぇ、プルー。一六歳になってもあまり変わらないものね。成人の儀を行って、パーティーに出るだけ」
詰まらなさそうに言うティアは、先程シエラに見せた表情を完全に隠していた。プルーは『当たり前です』と呆れながら呟く。
アレクが帰ってくる日を数日残して、ついにやって来た。待ち望んでいたはずなのに、何か物足りないのは、一人、たった一人いないから。
「プルー。お酒!!」
ベッドの下からワインのボトルと思われるものを出し、どこに隠していたのかグラスも二本出してきた。それを見てプルーは目を見開いた。
「ティア様!!」
大きな声はたしなめる色が強く出ている。
ティアは小さく「プルーだってわたしと二こしかとしか変わんないでしょ」とそっぽを向く。それに対してプルーは。
「勤務中です。それに私は飲めないんです」
と言い切った。その様子を見て、ティアは尚一層機嫌を悪くした。
十一歳にしては少し幼い口調。ティアのことを『姉様』と慕い、よく懐いているのはティアの異母弟であり、王子でもあるシエラだ。
ティアより少しくすんだブロンドに深い、深い碧眼を持つ。
「ありがとう、シエラ。素敵な木箱ね。わたし、一番お気に入りのネックレスをここに入れるわ。いい?」
にこりと笑顔を返し、シエラの頭を撫でながら、プレゼントの木箱を眺めた。
釘が一本も使われず、全て木で出来ているという木箱は美しい漆で装飾されており、彫りも繊細で美しかった。
「うん、いいよ!! たくさんいれてね。僕とお揃いなんだ!!」
そう言って笑うシエラは、今跡継ぎ問題の渦中にいるなんて知らないだろう。
ティアはそれを知らせるつもりもなかった。可愛い弟の笑顔を曇らしたくない。自分が一人、我慢すれば言いだけの話だ。つまらない政治の道具なんかにシエラを使って欲しくない。
「そう、シエラとお揃いならわたしずっと使うわ。シエラの誕生日にはわたしとお揃いの何かを贈りましょうね。姉さま、今日から毎日考えなくちゃ。シエラが喜びそうなもの。何か欲しいものがあったらこっそり教えてね」
そう言うとシエラは急いで走ってきて、ティアに屈むようにお願いした。ティアはシエラの口が耳に来るように屈む。
こそこそとシエラが何か耳打ちすると、ティアは見る間に嬉しそうな顔をした。
「そうね。それがいいわ。シエラの誕生日が今から楽しみね。九月の誕生日パーティーが楽しみ」
王と、現王妃のヴィーラが嬉しそうにその対話を見ていた。
普通なら現王妃のヴィーラが自分の息子を王にしようとティアを狙うはずなのだが、ヴィーラはそんなこと関係ないというように振舞っている。実際、欲のない人で、そもそもヴィーラは王に恋をして、結婚したので王の娘であるティアも大変可愛がっていた。
「ユリアス、本当によかったわ。一時はどうなるかと思ったのよ?」
王にそう問いかけるが、王は元気なさ気に笑った。
「そうだな。でもわたしももう後僅かだよ。こんなに早く逝くとクラリスに怒られそうだけど……」
そう言う王は確かに生気と言うものが感じられず、元気な頃に比べると一回りも二回りも小さくなった気がする。ヴィーラは為す術もなくそれを見ていた。
「お父様」
「とぉさま」
そこに笑顔で二人がやってくる。王と王妃は笑顔で迎えた。
「シエラ。お姉様にプレゼントは気に入ってもらえましたか?」
「うん、母様」
「もちろんです。王妃」
『王妃』と呼ばれたヴィーラはそっと顔に影を落とした。するとティアは慌てて「お母様」と言い直す。
「お母様。この見立てはお母様なんですって? すごく綺麗。わたし、大切にします」
そう言うと、シエラにもう一度ありがとう、と呟いた。
「ねぇ、プルー。一六歳になってもあまり変わらないものね。成人の儀を行って、パーティーに出るだけ」
詰まらなさそうに言うティアは、先程シエラに見せた表情を完全に隠していた。プルーは『当たり前です』と呆れながら呟く。
アレクが帰ってくる日を数日残して、ついにやって来た。待ち望んでいたはずなのに、何か物足りないのは、一人、たった一人いないから。
「プルー。お酒!!」
ベッドの下からワインのボトルと思われるものを出し、どこに隠していたのかグラスも二本出してきた。それを見てプルーは目を見開いた。
「ティア様!!」
大きな声はたしなめる色が強く出ている。
ティアは小さく「プルーだってわたしと二こしかとしか変わんないでしょ」とそっぽを向く。それに対してプルーは。
「勤務中です。それに私は飲めないんです」
と言い切った。その様子を見て、ティアは尚一層機嫌を悪くした。
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