じれったくて甘い

　予告してた感想祭りーー。
　LaLaSPも買ったんですけどねー、結局。いいの。狼陛下が可愛くて、草川為さんのに泣かされたから。
　今回、どことなく切ないものが多かったです。
　でもどうやら私、結構その切なくて報われない感が好きらしい。失恋モノが好きというよりも、泣きたくなるような悲恋系が好物です。
　好きなのに～～、みたいな感じが出ると、『なうあぁぁーー！』と訳も分からない奇声をのた打ち回りながら上げてます。
　

　感想は『君に届け』、『キケン』、『LaLaSP』かな。

　コトの始まりは友人の一言。

『いつき、好きだよね？　少女漫画』

　う、ん？　まぁ、好きだよ、と答えた瞬間、彼女の目が光り、『読んで！　もって来る！　いいから！』と、冷静な彼女にしては珍しい言葉を貰った。
　アニメがあったんで、借りる前に予習ーとか言いつつ、最後まで見る。
　可愛い……。なにあの生き物たち。アレが本当に、同じ学生なのか。眩しすぎる、とか思いつつ、友人に借りたので読み始めました。

　感想。青春って、まぶしいですね……。（既に枯れてるのか、私は）

　とにかく初々しい。可愛い。じれったい。だけど少女漫画らしく甘い。何というか、『王道走ってます！！』を体現してる感じ。
　個人的に草食系の匂いを漂わせつつ、さりげなく肉食な風早くんが好きです。爽子ちゃんも可愛い。
　何というか、久々に現代に帰ってきて、学生モノが書きたいなぁ、と思うものでした。爽やか系男子書きたいよーー。
　9巻読んでのた打ち回って、10巻読んで、『あぁー、じれったかった』と思うのですが、8，9巻の間に一日はさんだので、読めたときの嬉しさは一入でした。
　『一度に4巻も持ってくるのは、きついから、9，10は明日もって来るねー』とニヤニヤしていた友人を恨みました。
　何で、ここで間空けるの？！　気になるじゃん！！
　次の日に喚くと、『いや、私コミック派でかなり待たされたから、これくらいの焦れは必要かな、と』とさらりと流されました。
　う、侮れんな。友人。
　ヒーロー、ヒロインはもちろん好きなのですが、登場人物が皆魅力的過ぎて困る。もー、くるみちゃんが好き過ぎていけません。
　あのキャラがすごく好き！　可愛い顔して腹黒で、かつ笑顔の下に隠してる。……好きだー。
　ちなみに、一番好きなのは龍さんです。お兄ちゃんも好きだけどね。あの一途なところとか、嘘がつけずに笑って誤魔化すところとか。
　優しく見守ってるところとか！　何だ、あの大人びた私より年下の奴は！！　かわいいなぁ、もうっ。
　へタレが入る風早くんもかなり好きでしたけどね。いじいじしてると、後ろからつつきたくなっちゃう性格ですみません。
　だけど好きなんだもの。しょうがないよね！
　教室のドア越しに告白するシーンが好きです。あんなに何度も『好きです』言われたら、そりゃあ我慢できないだろうなぁーー。（ニヤニヤ）




　理系の男の子のお話です。大学の、サークル（って言うの？）のお話なんですが、正直ぶっ飛んでるようにしか見えない。
　これ、実際理系大学で起こってたら、私泣きます。
　私のクラスも一応理系なんですけど……、いやでもうちの学校の科学研究部もかなりこの系統か……。
　なんせ水にNa入れたりね！（量は知らんが）　一回、爆発音を聞いたことがあるよ、そういえば。何の実験だったか忘れたけど。
　意外にありえそうだと、今更ながら考えるけど、怖いね。

　でもなんかこうー、男の子っ！！　って感じがして、私たち女の子には絶対入れない領域なのかもしれないなぁと思っちゃう感じ。
　それは有川さんの後書きにも書かれてるんだけど。
　本気で遊ぶ、というのがすごいエネルギーが要ることなのに、彼らはわけもなくそういうことをしちゃうんで、正直『すごい……』と思う。
　思う一歩で、『馬鹿だなぁ、この子達』と思うことも。
　出来ないからこそあこがれるし、僻んでもみる。
　『もう少し、後先考えてすればいいのに』とかえらそうに助言を与えるのは、実は羨ましいけど、自分には出来ないから。
　少なくとも私は学園祭であそこまで本気になれません。むしろ準備段階からサボリ要因です。
　そのときだけしか楽しめないことだと、頭では分かっているものの、いまいちそれを『青春』と理解できていないからかな、と思う。
　ようは『青春』の時間なんて、無駄遣いするための時間だと思うんだ。どれだけ楽しく、無駄に、ばかばかしく、消費できるかでしょ？
　『青春』って多分、そのときは実感できないもので、十年とか二十年経ってやっと『あのときが青春だったんだなぁ』と思うものなんでしょうね。
　が、変に意固地な人間なので、いつきは人より色鮮やかな青春を送ってないのかもしれません。
　彼らのように目一杯楽しむのでもなく、無茶するんでもなく――という感じだからなぁ。

　とりあえず、弟を持っているんですが、そろいもそろって理系よりなんですよね。……一番上の弟は工業だし、行ってるの。
　弟がこれを読んで一言。『火薬って……、花火からとるんだ』

『違うよーー。これは小説だからねっ！　本気にするなっ。とるのかもしれないけど、犯罪だ。きっとそれは犯罪に決まってる！
お前は馬鹿だから、加減を知らないんだ！　部長よりタチ悪いわーー』
　
　と、本気で怒ったお姉ちゃんを許してください。さすがに、『キケン』読んだあとだと冗談に聞こえません。
　ダンシ、という生き物はなぞだらけの生き物だと実感しました。





　テスト終わってすぐ買いに行ったよー。
　今回は狼陛下と草川為さんの読みきりが目当て、あと弓きいろさんの読みきりも気になってました。

　『眠れぬ騎士に花束を』

　アレクは女の子でした。よ、よかったぁーー。（ここでもう一安心）
　お話は騎士物語、という感じ。アーサー王伝説とか、円卓の騎士とかそういうのを彷彿とさせるかなぁ。
　ヴィンが途中からこまっきーに見えたり、見えなかったり。（笑）
　でも昔話の裏と表が面白くてよかったです。好きなファンタジー。欲を言えば、もう少し二人の絡みを多くして欲しかったなぁ。
　あぁいう感じなら恋愛色がなくても、むしろ私はOKな感じでした。ページがもう少し長かったら違うのかな。

　『狼陛下の花嫁』
　
　李順さん怖いーー。バイト中の夕鈴を査定？？
　働きっぷりのいい女の子は好きです。陛下が相変わらず好きなので、まぁいいんですけど。
　陛下の見えないところで、夕鈴を苛めすぎるとダメらしいですよ。
　子犬陛下も十分可愛いんですけど、狼な彼も好きです。
　本編はだんだんきな臭くなってきているので、ぜひ番外編ではほのぼのとしていて欲しいです。
　人前でも、二人っきりでもいちゃこらしてればいいと思う。（たとえそれが無自覚でも）

　『しのびごと』

　うーあーぁぁ！！　草川為さんの読みきりでやられた。心中、幽霊、成仏できない、とか来れば、絶対切ないとは思ってたけどさぁーー。
　草川さんの作品って、どことなく明るくて笑いを誘うイメージがあったので、かなりのは衝撃的過ぎる。
　紐、というか布が手に絡みつくのもすごく切なくて、痛いんですけど、時々見せる優しさで、もう涙腺崩壊。
　最後の泣きそうな顔と、名前を呼ぶシーン、そして葛さんが消えるまでの流れがすごく切なくて、池に浮かんだ紐が涙を誘います。
　あぁぁーー、ってなる。
　生き残った彼女の笑顔とかを見るのもかなり切ないのに、それを望んでたとかっっ。
　何で幸せにならなかったのー、と思わずにはいられない。
　ロミジュリ的ですけど（いや、敵同士じゃないけどさ）、それより痛い。

　一緒に死ぬのが幸せかどうかなんて分からない。
　だけど、一緒に死のうと思える相手がいることは、それが失敗しようが成功しようが変わらず、幸せなことなのかもしれない。

　『砂の国の千一夜』

　途中でどっちがどっちかわかんなくなったのは秘密。
　服装が違うのか、と途中で思ったりしたけど、もう少しはっきり違いを……。（違いがあったら、ダメじゃんと思わないでもない）
　王子の悪人顔が好きです。非常に。

　『逃避行デイズ』
　
　この人の短編がすごく好きーー。雰囲気が好きです。季節を表現するのが上手な方なのかなぁ、と思ったり。
　最後のほっぺにキスで『そっちっ？！』と男の子と一緒に思ったのは、私だけじゃないはず。
　私も一回、学校サボりたいです。（切実に）

　『まいごの晩餐』
　
　怪盗なのに、何故かいい人。すごく珍しい警察×怪盗話。
　王道ももちろん大好きなんだけど、こういうのも好きです。微妙なラインが何とも言えない感じ。
　最後『いいのかよ。それで』とつっこんじゃったけど、いいと思う！　少女漫画だから！！

　『犯罪者か……俺は』（警察の人）

　のくだりが非常に好きです。

　『らせんの塔』

　毎回思うけど、女の子が可愛いなぁー。女の子の髪の毛が毎回可愛いです。ふわふわ加減が。
　今回、死んでるネタがおおいなぁ、とか思ってたけど、『身代わり』みたいなのも多いね。影武者系も大好物なんですけど。
　食えない先生がとても好き。あの謎がありげな笑顔が素敵でした。
　もう少し、復讐のやり方は手酷くても私は大丈夫です。むしろ、『生ぬるくない？』とか思った私は悪魔ですか……。
　
　とりあえず、身分差、年の差、身長差、裏切り……と来ると興奮せずにはいられない。

　『イタチシンデレラ』

　王道だなぁー。可愛い。でも何でイタチなのか、非常に気になる。そこは猫とかそういうのじゃダメだったのか、ぜひ知りたいです。
　変身系は『フルーツバスケット』経由で好きなんですけど、人→イタチじゃないのは切なかった。
　あぁー、性悪魔女さんがかっこよかったです。
　メイシズさんがさりげなーくよくヒロインに触ってる気がするのは、私だけなんでしょーか。いや、触ってるよ、あれは。

　あ、「48cm↑↓」の人だったんだ。あのお話も可愛くて好きだったんだー。



　全体的にとっても読みきりの読了感がよかったです。さらって感じ。わだかまるものがないっていいね。
　甘さを十分にとったので、満足です。
　基本、漫画は長編も好きだけど、すっきりな短編も好き。
　ちょっと物足りなくなって、続きが読みたいなぁ、書いてくれないかなーと思うくらいがベストです。
　『はっきり決着つけろ！！』と思った瞬間、我が身に突き刺さる、同じ言葉！！
　た、短編はやっぱりハッピーエンドのほうがいいんですよね……？？