いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
番外編、その二。
これでこのお話も終わりだったり。このぐらいの長さが負担にならなくて好きです。(それでも十話超えてたりするんですが)
今、次の作品のことを考えているんですが。(二つとも、人物設定、プロットができてる状態)
どちらも長いです。そして暗い……。もう少し幸せそうなお話は書けないものかと考えます。
色々大変で、胃がいたい思いを日々してますが、そんな日々も土曜日に終わりです。その後すぐ期末なんですけどね。
これでこのお話も終わりだったり。このぐらいの長さが負担にならなくて好きです。(それでも十話超えてたりするんですが)
今、次の作品のことを考えているんですが。(二つとも、人物設定、プロットができてる状態)
どちらも長いです。そして暗い……。もう少し幸せそうなお話は書けないものかと考えます。
色々大変で、胃がいたい思いを日々してますが、そんな日々も土曜日に終わりです。その後すぐ期末なんですけどね。
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『手に入れるのは友人の立場』
あいつが好きそうだと思った子を当てるのは簡単。
いつだって、あたしが可愛いなと思う子だから。
「綾瀬、帰ろう」
「え。空(あき)は?」
つい最近、付き合い始めた彼氏の名を出せば、友人はかっと頬を赤くした。こういうところが、可愛いのだ。
「アキは関係ないでしょ」
「ケンカしたの?」
「してない」
してないと否定するということは、本当にしていないのだろう。……その分、何か気まずくなったのかもしれないけれど。
「一緒に帰らないんだ」
「いいでしょ。帰ろ」
そして友人はあたしの手を引いて、教室を出た。小さく、照れたように笑っている。
彼が好きになる子を当てるのは簡単。
いつだって、優しくて、友人思いの子なんだから。
彼と『夏樹 鈴』とを会わせようとしたのは、あたし。
でも空はやけにまどろっこしい方法をとった。その紙を渡されたのがあたしと、そして空の友人の宮戸。
でもあたしは、その紙を夏樹のものに挟むことはできなかった。正直に言えば、ぎりぎりまで迷っていた。
――そしてその紙をなくした。故意ではなく、本当に。
そのときの虚無感を、どういえばいいだろう。何とも言えない気分だった。空を裏切ったような、友人を裏切ったような。
それと同時に、ほんの少し喜んでしまったのも事実。もしかしたら、会わない方がいいのかもしれないと。
そんな自分勝手な思い。
「夏樹?」
「うん?」
「空が、好き?」
かっと、また赤くなった。今度は顔全体が赤くなり、口が開いたり開いたりしている。
「なっ。なん……」
「答えて」
答えて。あたしの前で。はっきり、言って。
「す、……っ。大事だよ!!」
好きという言葉より、大好きだと言われるより、ショックが大きかったのは本当のことだ。
「そう」
だけど、嬉しかったのもまた事実で。
「ナツ」
「アキっ。わ、私、帰る!!」
「え、送っていくって」
「綾瀬と帰るもん!!」
「ナツ」
「アキなんて、知らない」
その二人の会話を聞いて、笑みがこぼれた。
これが一番つらくて、最後の失恋になればいいと思いながら。
何度も失恋してきた。
彼の好きな子が分かるたび。彼がそうだと気付く前に分かってしまうたび。
だけど、こんな失恋なら――。
最後の一回にしては、いい失恋だった。
あいつが好きそうだと思った子を当てるのは簡単。
いつだって、あたしが可愛いなと思う子だから。
「綾瀬、帰ろう」
「え。空(あき)は?」
つい最近、付き合い始めた彼氏の名を出せば、友人はかっと頬を赤くした。こういうところが、可愛いのだ。
「アキは関係ないでしょ」
「ケンカしたの?」
「してない」
してないと否定するということは、本当にしていないのだろう。……その分、何か気まずくなったのかもしれないけれど。
「一緒に帰らないんだ」
「いいでしょ。帰ろ」
そして友人はあたしの手を引いて、教室を出た。小さく、照れたように笑っている。
彼が好きになる子を当てるのは簡単。
いつだって、優しくて、友人思いの子なんだから。
彼と『夏樹 鈴』とを会わせようとしたのは、あたし。
でも空はやけにまどろっこしい方法をとった。その紙を渡されたのがあたしと、そして空の友人の宮戸。
でもあたしは、その紙を夏樹のものに挟むことはできなかった。正直に言えば、ぎりぎりまで迷っていた。
――そしてその紙をなくした。故意ではなく、本当に。
そのときの虚無感を、どういえばいいだろう。何とも言えない気分だった。空を裏切ったような、友人を裏切ったような。
それと同時に、ほんの少し喜んでしまったのも事実。もしかしたら、会わない方がいいのかもしれないと。
そんな自分勝手な思い。
「夏樹?」
「うん?」
「空が、好き?」
かっと、また赤くなった。今度は顔全体が赤くなり、口が開いたり開いたりしている。
「なっ。なん……」
「答えて」
答えて。あたしの前で。はっきり、言って。
「す、……っ。大事だよ!!」
好きという言葉より、大好きだと言われるより、ショックが大きかったのは本当のことだ。
「そう」
だけど、嬉しかったのもまた事実で。
「ナツ」
「アキっ。わ、私、帰る!!」
「え、送っていくって」
「綾瀬と帰るもん!!」
「ナツ」
「アキなんて、知らない」
その二人の会話を聞いて、笑みがこぼれた。
これが一番つらくて、最後の失恋になればいいと思いながら。
何度も失恋してきた。
彼の好きな子が分かるたび。彼がそうだと気付く前に分かってしまうたび。
だけど、こんな失恋なら――。
最後の一回にしては、いい失恋だった。
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