いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
少しお久しぶりです。勉強なんか知ったこっちゃない、と日々遊びほうけております。
甲子園。今年は正直あまり燃えてません。
応援している学校がすぐ負けたり、県代表が数年ぶりで、しかも前の甲子園でボロボロだったので心配だったり。
そうしてたら、雨天延期で三回くらい試合して結局今さっき負けてたり。
あっ。そういえば、うちの弟の珍発言を紹介しようとしていたのです。
(以下伏せます。あまりにしょうもないので)
わが弟、比類なき馬鹿だというのは、今までの記事で薄々ばれていると思うのですが。
本当に馬鹿なんです。他の追随を許さないくらい馬鹿なんです。あまりにも馬鹿ので、『ばかよねぇ』と笑うと、一言。
「姉ちゃん。馬鹿はね、哀愁があっていいんだよっ!! 馬鹿な子ほど可愛いって言うでしょ!」
と猛反論を受けました。
つい面白かったので、もう一押し、と。
「哀愁ねぇ。じゃあ、愛嬌ってどういうときに使うの」
「シャア(ちょうどガンダムがテレビでしてた)には愛嬌が漂ってる」
…………。
「シャアには、愛嬌が、あるの……??(←池田秀一さん好き)」
「そうだよ。愛嬌があるのっ!!」
あまりにも一生懸命かつ馬鹿。
「……っ。シャアに愛嬌があってどうするっ!! 愛嬌のあるシャアってどんなのだ、この馬鹿っ!!」
つい興奮する私も馬鹿なんですけど。
うちの馬鹿な弟には愛嬌のかけらも見られず、かつ哀愁も漂ってません。ただの手に負えない馬鹿です。
と、長々馬鹿話をしてしまい申し訳ありません。
週一回の小説更新です。カップリングはどこかと聞かれましたが、この時点で私は正確に決めていませんでした。
なのでもう少し伏せておきます。まぁ、大体ご想像通りです。王道好きなので、ハプニングはあまり起きません。
甲子園。今年は正直あまり燃えてません。
応援している学校がすぐ負けたり、県代表が数年ぶりで、しかも前の甲子園でボロボロだったので心配だったり。
そうしてたら、雨天延期で三回くらい試合して結局今さっき負けてたり。
あっ。そういえば、うちの弟の珍発言を紹介しようとしていたのです。
(以下伏せます。あまりにしょうもないので)
わが弟、比類なき馬鹿だというのは、今までの記事で薄々ばれていると思うのですが。
本当に馬鹿なんです。他の追随を許さないくらい馬鹿なんです。あまりにも馬鹿ので、『ばかよねぇ』と笑うと、一言。
「姉ちゃん。馬鹿はね、哀愁があっていいんだよっ!! 馬鹿な子ほど可愛いって言うでしょ!」
と猛反論を受けました。
つい面白かったので、もう一押し、と。
「哀愁ねぇ。じゃあ、愛嬌ってどういうときに使うの」
「シャア(ちょうどガンダムがテレビでしてた)には愛嬌が漂ってる」
…………。
「シャアには、愛嬌が、あるの……??(←池田秀一さん好き)」
「そうだよ。愛嬌があるのっ!!」
あまりにも一生懸命かつ馬鹿。
「……っ。シャアに愛嬌があってどうするっ!! 愛嬌のあるシャアってどんなのだ、この馬鹿っ!!」
つい興奮する私も馬鹿なんですけど。
うちの馬鹿な弟には愛嬌のかけらも見られず、かつ哀愁も漂ってません。ただの手に負えない馬鹿です。
と、長々馬鹿話をしてしまい申し訳ありません。
週一回の小説更新です。カップリングはどこかと聞かれましたが、この時点で私は正確に決めていませんでした。
なのでもう少し伏せておきます。まぁ、大体ご想像通りです。王道好きなので、ハプニングはあまり起きません。
+ + + + + + + + + +
『肩書きと声』
「それ――」
「賢者はただの人間です。魔術を使えるわけでもない、弱い生き物。しかしその肩書きを持つ人間は必要なのですよ。我が魔王陛下には」
こいつはわたしに偽り続けろと言ってきたのだ。わたしにそのことを『口に』出させてまで。
偽者か本物かなど関係ない。本物だ、と言う『賢者』をノアは欲していた。この黒髪と瞳を持つのなら、誰でもよかったのだ。
「私は、この目で賢者を見たことはありません。この城で賢者を見たことがあるという者もいません。もう皆死んでしまいましたから。
唯一物心のわずかについた魔王陛下だけが、その時代から生きています」
ゆっくりとノアは私の肩から手を放し、次いで先程以上の力で体全体をイスへ押し付けた。
ノア自身の力か、はたまた俗に魔力と言われるものかは分からなかったが、息もままならぬような力が体にかかった。
「……っ」
出そうになる声を最後の意地で押しとどめる。それを見て、おかしそうに目を細めるノアがうっすらと認識できるのみだった。
「先代の魔王は賢者に関する資料を全くといっていいほど残していません。その力を利用する輩を危惧したのか、分かりませんが。
まぁ、今回に限って言えば、それが私の助けになったんですがね」
何をしようとしているのか分からない恐怖が、息もまともにできない体へと侵入しているのが確かに分かった。
「我らが王はお優しすぎる。民にも、人間にもです。しかしそれでは困るんですよ」
ふわり、とその怒気により風が動いた。ノアの瞳が濡れたように光る。ちらりと見えた犬歯は鋭く、人の肌など容易く裂きそうだった。
「五百年前、賢者が現れたときからこの国は一気に繁栄しました。
人間の国と友好関係を保ちつつ、決して領土を侵させはしなかった。それは前魔王と賢者が作り上げた時代。
そして五百年後の今、再び賢者が現れた。さて、大臣たちはどう思うでしょうか」
にやり、と笑った気がしたが、息がほとんどできず視界が霞んでいるせいで確認できない。
五百年前繁栄の元になり、ある日――前魔王が死んだその日に忽然として消えた賢者。
そしてその日のうちに、前魔王に近く仕えていた大臣たちが皆死んでしまった。
それゆえに人々は口々に言ったらしい。
賢君が亡くなり、仕える王を失った賢者は自分の姿を知る大臣たちを殺して消えたのだと。
次代の魔王には期待できない、と。しかし、再び賢者が現れるということはすなわち、現魔王もまた賢君だということ。
「やはりあなたは賢い。さすがは『賢者様』ですね」
揶揄するような声にキッと顔を上げた。その瞬間、心臓がドクリと鳴った。
『黙れ、血も呑めぬ吸血鬼が』
自分の口から出たとは思えない声と言葉。全く考えもしなかった言葉がわたし自身の口からこぼれた。
ノアは、吸血鬼なのだと初めて知った。自分自身の言葉で
『驕(おご)るな。たかが百年かそこら生きただけのお前が全てを見通しているとでも思っているのか?
笑わせてくれる。私は賢者だ。お前がどう思おうが関係ない』
独りでに動く口は迷うことなく、言葉を紡ぐ。恐ろしいほど冷たい声が自分自身のものだと主張している。
それでも、自分が話しているとは微塵も感じれなかった。
目の前には驚いたノアの顔。わたしの口から出た言葉に耳を疑っているようだった。それと同時に押しつぶされそうだった体が楽になる。
「どうい――」
「失礼しました」
ドン、とノアの体を押しのけ、イスから立ち上がる。少しだけ立ちくらみがしたが、足に力を入れると持ちこたえることができた。
そしてそのまま逃げるように扉へ向かう。ドアノブをまわせば扉はあっけなく開いた。
ほっと知らず安堵の息が漏れると同時にまた自分の声が聞こえた。
『鍵もかけないとは、私も随分となめられたものね、ユキノ』
先程とは少し違う、それでもさっきと同一人物だと分かる口調。わたしの声で『わたしの名』が呼ばれた。
バタン、と手荒く扉を閉めると、初めて来たときより見慣れた廊下を走る。
ノアの部屋に連れてこられたのは初めてだったので、自分の部屋がどの方向にあるのかしか分からなかった。
それでも見知った道へ出ようと闇雲に走る。ただ単純に怖かった。
自分を利用しようとするノアへの恐怖と、意識しないまま紡がれる言葉への恐怖。
それに負けてしまいそうになり、壁に寄りかかってズルズルと座り込んだ。
幸い、見慣れた廊下に出られていた。来賓宿泊棟の廊下で今現在ここを利用しているのはわたし一人だ。
そのせいか人が通ることもなく、通るとすれば食事か入浴時にメイドが通るだけだった。
だからわたしに声をかける人なんていないはず――なのに。
「ユキノ?」
俯けていた顔を上げれば、つい数十分前まで授業で見ていた顔があった。
「ジル」
『魔王様』と口に出しそうになる前に名前を呼ぶと、ジルは本当に嬉しそうに笑い返してきた。
何度見ても『邪気』を感じない。それをもう、悪いことだとも感じられずにいた。
「こんなところで何をしているんだ?」
「どうやって……あなたを魔王様らしくするか考えていました」
あなたの秘書に襲われそうになりました、とも言えず、別のことを口に出す。
全くもって嘘ではないのでよしとしようと、纏めていない髪を手櫛で整えつつ言い訳をした。
「そうか」
ジルは何を思ったのか、唐突にわたしの隣へ座る。
日が落ちて、濃い赤茶の髪が黒く見えた。その額から覗く一対の角も違和感なくそこにある。
しばらく沈黙が流れ、それからやっとジルは口を開いた。
「俺は、この性格を直すつもりがないのかもしれない」
ポツリと漏れたその言葉に、わたしはジルの顔を覗きこんだ。
バランスのよい、目鼻立ちのはっきりとした顔に刻まれた表情は全くの無表情だった。
優しい色をたたえていたはずの瞳は今も澄んだままだったが、ゾッとするほど冷たい色しか映し出してはいない。
ただ床の一点だけを無機質に眺め、焦点が合っているのかさえ怪しかった。
「ジ……」
「俺には、この性格が国を滅ぼすなんて思えない。俺は民が好きだし、同じくらい人間が好きだ。
どちらも傷ついてほしくないし、戦わないですむ方法があるならそうしたい。俺には、父のような戦に勝利できるような才能もないしな」
冗談半分のように言って、ジルは苦笑いする。そしてジルは組んでいた手を緩め、わたしの肩に頭を乗せてきた。
肩に宿る温もりと、黒く見える柔らかい髪。それを見ながら無言で続きを促した。
いつもなら、他人の相談なんて面倒にしか感じない。
人に話して何かが変わるわけでもないのに、何故話してくるのか腹が立つときもあった。
だけど今は、聞かなければいけない気がした。
「俺は、民と人が平和に共存できればいいと、そう思っているのに」
――それは偽善でしかないと、言われた。ただ本当に、そう思うだけなのに、優しすぎると言われる。
そんなつもりはなかったのに。心のそこから、そう思うのに。
「ユキノ。俺の性格は、直さなければいけないほど酷いか?」
無性に頼りなくなったジルの手を握る。ヒンヤリと冷たいだけの指先と、指先だけで手を繋ぐ。
それぐらいしか、自分にできることはなかった。そう、思った。
「ごめん、ジル」
嘘ついてて、性格直そうとして、何もできなくて。
初めて、この自己中な性格を後悔した。直さなければいけない性格なのは、むしろわたしなのに。
それでもジルは謝ったわたしを見返し、ふわりと笑った。
ここへ来たとき、パニック寸前だったあのときのわたしを少しだけ安心させてくれた優しい笑みだった。
「何故ユキノが謝る? 謝らなければいけないのは俺の方だ」
わたしの肩から顔を上げ、わたしの顔を見返す。先程のノアと同じくらいの距離にジルの顔があるのに、恐怖は感じなかった。
7話
「それ――」
「賢者はただの人間です。魔術を使えるわけでもない、弱い生き物。しかしその肩書きを持つ人間は必要なのですよ。我が魔王陛下には」
こいつはわたしに偽り続けろと言ってきたのだ。わたしにそのことを『口に』出させてまで。
偽者か本物かなど関係ない。本物だ、と言う『賢者』をノアは欲していた。この黒髪と瞳を持つのなら、誰でもよかったのだ。
「私は、この目で賢者を見たことはありません。この城で賢者を見たことがあるという者もいません。もう皆死んでしまいましたから。
唯一物心のわずかについた魔王陛下だけが、その時代から生きています」
ゆっくりとノアは私の肩から手を放し、次いで先程以上の力で体全体をイスへ押し付けた。
ノア自身の力か、はたまた俗に魔力と言われるものかは分からなかったが、息もままならぬような力が体にかかった。
「……っ」
出そうになる声を最後の意地で押しとどめる。それを見て、おかしそうに目を細めるノアがうっすらと認識できるのみだった。
「先代の魔王は賢者に関する資料を全くといっていいほど残していません。その力を利用する輩を危惧したのか、分かりませんが。
まぁ、今回に限って言えば、それが私の助けになったんですがね」
何をしようとしているのか分からない恐怖が、息もまともにできない体へと侵入しているのが確かに分かった。
「我らが王はお優しすぎる。民にも、人間にもです。しかしそれでは困るんですよ」
ふわり、とその怒気により風が動いた。ノアの瞳が濡れたように光る。ちらりと見えた犬歯は鋭く、人の肌など容易く裂きそうだった。
「五百年前、賢者が現れたときからこの国は一気に繁栄しました。
人間の国と友好関係を保ちつつ、決して領土を侵させはしなかった。それは前魔王と賢者が作り上げた時代。
そして五百年後の今、再び賢者が現れた。さて、大臣たちはどう思うでしょうか」
にやり、と笑った気がしたが、息がほとんどできず視界が霞んでいるせいで確認できない。
五百年前繁栄の元になり、ある日――前魔王が死んだその日に忽然として消えた賢者。
そしてその日のうちに、前魔王に近く仕えていた大臣たちが皆死んでしまった。
それゆえに人々は口々に言ったらしい。
賢君が亡くなり、仕える王を失った賢者は自分の姿を知る大臣たちを殺して消えたのだと。
次代の魔王には期待できない、と。しかし、再び賢者が現れるということはすなわち、現魔王もまた賢君だということ。
「やはりあなたは賢い。さすがは『賢者様』ですね」
揶揄するような声にキッと顔を上げた。その瞬間、心臓がドクリと鳴った。
『黙れ、血も呑めぬ吸血鬼が』
自分の口から出たとは思えない声と言葉。全く考えもしなかった言葉がわたし自身の口からこぼれた。
ノアは、吸血鬼なのだと初めて知った。自分自身の言葉で
『驕(おご)るな。たかが百年かそこら生きただけのお前が全てを見通しているとでも思っているのか?
笑わせてくれる。私は賢者だ。お前がどう思おうが関係ない』
独りでに動く口は迷うことなく、言葉を紡ぐ。恐ろしいほど冷たい声が自分自身のものだと主張している。
それでも、自分が話しているとは微塵も感じれなかった。
目の前には驚いたノアの顔。わたしの口から出た言葉に耳を疑っているようだった。それと同時に押しつぶされそうだった体が楽になる。
「どうい――」
「失礼しました」
ドン、とノアの体を押しのけ、イスから立ち上がる。少しだけ立ちくらみがしたが、足に力を入れると持ちこたえることができた。
そしてそのまま逃げるように扉へ向かう。ドアノブをまわせば扉はあっけなく開いた。
ほっと知らず安堵の息が漏れると同時にまた自分の声が聞こえた。
『鍵もかけないとは、私も随分となめられたものね、ユキノ』
先程とは少し違う、それでもさっきと同一人物だと分かる口調。わたしの声で『わたしの名』が呼ばれた。
バタン、と手荒く扉を閉めると、初めて来たときより見慣れた廊下を走る。
ノアの部屋に連れてこられたのは初めてだったので、自分の部屋がどの方向にあるのかしか分からなかった。
それでも見知った道へ出ようと闇雲に走る。ただ単純に怖かった。
自分を利用しようとするノアへの恐怖と、意識しないまま紡がれる言葉への恐怖。
それに負けてしまいそうになり、壁に寄りかかってズルズルと座り込んだ。
幸い、見慣れた廊下に出られていた。来賓宿泊棟の廊下で今現在ここを利用しているのはわたし一人だ。
そのせいか人が通ることもなく、通るとすれば食事か入浴時にメイドが通るだけだった。
だからわたしに声をかける人なんていないはず――なのに。
「ユキノ?」
俯けていた顔を上げれば、つい数十分前まで授業で見ていた顔があった。
「ジル」
『魔王様』と口に出しそうになる前に名前を呼ぶと、ジルは本当に嬉しそうに笑い返してきた。
何度見ても『邪気』を感じない。それをもう、悪いことだとも感じられずにいた。
「こんなところで何をしているんだ?」
「どうやって……あなたを魔王様らしくするか考えていました」
あなたの秘書に襲われそうになりました、とも言えず、別のことを口に出す。
全くもって嘘ではないのでよしとしようと、纏めていない髪を手櫛で整えつつ言い訳をした。
「そうか」
ジルは何を思ったのか、唐突にわたしの隣へ座る。
日が落ちて、濃い赤茶の髪が黒く見えた。その額から覗く一対の角も違和感なくそこにある。
しばらく沈黙が流れ、それからやっとジルは口を開いた。
「俺は、この性格を直すつもりがないのかもしれない」
ポツリと漏れたその言葉に、わたしはジルの顔を覗きこんだ。
バランスのよい、目鼻立ちのはっきりとした顔に刻まれた表情は全くの無表情だった。
優しい色をたたえていたはずの瞳は今も澄んだままだったが、ゾッとするほど冷たい色しか映し出してはいない。
ただ床の一点だけを無機質に眺め、焦点が合っているのかさえ怪しかった。
「ジ……」
「俺には、この性格が国を滅ぼすなんて思えない。俺は民が好きだし、同じくらい人間が好きだ。
どちらも傷ついてほしくないし、戦わないですむ方法があるならそうしたい。俺には、父のような戦に勝利できるような才能もないしな」
冗談半分のように言って、ジルは苦笑いする。そしてジルは組んでいた手を緩め、わたしの肩に頭を乗せてきた。
肩に宿る温もりと、黒く見える柔らかい髪。それを見ながら無言で続きを促した。
いつもなら、他人の相談なんて面倒にしか感じない。
人に話して何かが変わるわけでもないのに、何故話してくるのか腹が立つときもあった。
だけど今は、聞かなければいけない気がした。
「俺は、民と人が平和に共存できればいいと、そう思っているのに」
――それは偽善でしかないと、言われた。ただ本当に、そう思うだけなのに、優しすぎると言われる。
そんなつもりはなかったのに。心のそこから、そう思うのに。
「ユキノ。俺の性格は、直さなければいけないほど酷いか?」
無性に頼りなくなったジルの手を握る。ヒンヤリと冷たいだけの指先と、指先だけで手を繋ぐ。
それぐらいしか、自分にできることはなかった。そう、思った。
「ごめん、ジル」
嘘ついてて、性格直そうとして、何もできなくて。
初めて、この自己中な性格を後悔した。直さなければいけない性格なのは、むしろわたしなのに。
それでもジルは謝ったわたしを見返し、ふわりと笑った。
ここへ来たとき、パニック寸前だったあのときのわたしを少しだけ安心させてくれた優しい笑みだった。
「何故ユキノが謝る? 謝らなければいけないのは俺の方だ」
わたしの肩から顔を上げ、わたしの顔を見返す。先程のノアと同じくらいの距離にジルの顔があるのに、恐怖は感じなかった。
7話
PR
この記事にコメントする
Re:かわいっ
そ、そんなの見たくないっ。愛嬌のあるシャアなら見たくないよ!!
いつだってかっこいいんだから。
愛嬌のあるシャアを見るくらいなら、心は綺麗でなくていいです。(笑)
いつだってかっこいいんだから。
愛嬌のあるシャアを見るくらいなら、心は綺麗でなくていいです。(笑)