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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 テスト終わったよー。終わった、よ。英作なんて英作なんてやってられっかーー。
 
 今日一日中遊び倒す勢いでパソ叩いてるいつきです。
 バナー作る余裕があるんなら書け!! といわれたので、とりあえず、『鐘の音』を。
 終わりっぽいですけど、蛇足でもう一話付きます。あまりにも二人の絡みがないことに気が付き、急遽付け足したのです。
 『恋愛小説じゃない』と友人にぼそっと言われたので。

 まぁ、今はまるで乙女ゲーのような小説書いてますけどね。お遊びで。友人の甘言に乗せられてね。
 短編です。ふざけてます。『drop』では書けない、ありえない先生sを書いてます。
 『drop』は変に『あー、学校ではやれないーー』と意識して削った甘い場面を迷うことなく書いてます。
 ただしここでは載せられないほどアホです。
 
 そのうち拍手なんかでこっそりさらしときます。体育とか、数学とか国語とかよりどりみどりですよー。そして吐くくらい甘いです。
 いつきの頭ン中なんてそんなものなんですよ、とハードル低くしときますね。

+ + + + + + + + + +
『物書き男の決断』





「編集長。
今日知り合った女性の頬に触れるなんて、随分と常識はずれなことをなさるんですね」

 後ろから聞こえた声は、求めてやまないものだった。
 腰から腹に回った手は仄かに温かく、背中に当たる布越しの体温は高い。いつの間にか椿は立っていて、しっかりと抱き寄せられていた。

「何だ、くちなし。来たのか」

 “編集長”と呼ばれた瞬間、先ほどまでの穏やかな笑顔を隠し、人の悪そうな笑顔を作る。
 にやりと、椿から離れた。すると今度こそしっかりと後ろから抱きしめられた。
 その変わり身の早さに椿は目をしばたかせる。

「あの……」

「意外にも身を引くのが早くて、本当にもらおうかと思った」

「相手があなただと知っていたら、ここまでしませんでしたっ」

 いつもより乱暴な話し方をする……と椿は思いつつ、自分の体に回された手を見つめた。この手は何を意味するんだろう。

「文さん?」

 椿は顔が見れず、不安になって問いかける。しかし呼びかけに返ってきたのは笑いを含んだ声だった。

「椿さん、少々我慢してくださいね。残念ながら時間がありませんから」

 その言葉が理解できず、椿は問い返そうとすると、膝裏に手を添えられ抱き上げられた。
 ふわり、と体が一瞬不安定に揺れ、思わず文彦のスーツの胸元を掴んだ。

「あのっ」

 椿がおとなしくなったのを確認した後、立ち去ろうとした文彦を椿が止める。くっとスーツにしわがよっても文彦は顔色一つ変えない。

「机の下の雑誌、とりたいので下ろしてください」

 他に、何か言うべきことがあるはずなのに、椿はそのどれでもないことを言った。しかしそれを聞き、文彦は破顔する。
 ひょいっと膝をつき、右手で椿を支えたまま左手で雑誌を取る。表紙を見てまた小さく笑った。

「読んでしまいましたか」

「しまいました」

 雑誌を渡され、また左手が背中に回される。
 立ち上がるとすっかり安定したので、椿は文彦の方からおずおずと右手を引いた。そして右手でしっかりと雑誌を握る。

「どうでした?」

 襖を開けて出てから、文彦は椿の顔を見た。そしてその答えを聞く前に、後ろへいた男を顧みる。

「編集長。あなたが煽ったんですから、うまくやってくださいよ」

「おー。まかせとけ。結構うまいからこういうの」

「……でしょうね」

 文彦の口から重いため息が出た。そして椿を抱きなおし、歩き出そうとする。

「今日、椿ちゃんは帰らないって伝えてやろうか?」

「いいです。七時の鐘が鳴ったら帰します」

 “七時の鐘”にびくりと反応すると、文彦はまた穏やかに笑う。
 よほど機嫌がいいのか、とても楽しそうな笑顔を浮かべて椿を見た。

「“七時の鐘”ねぇ。あの文章書きの男、結局どうしたんだ? 書かれてなかったけど……腰抜けで諦めたのか?」

「そうですね。少女を迎えにいって、想いを伝えて末永く幸せに暮らしました、というのはどうでしょう」

 ぽんぽん、と文彦は椿の背中を叩く。
 椿は文彦のスーツに顔をよせ、赤くなった顔を隠そうとした。ぎゅっとスーツに今度こそしわがよる。

「御伽噺だな」

「そうですか?」

 ――でも、実際にそうなるんだから仕方ありませんよ。

「さて、椿さん。わたしはあなたといたいですが、椿さんはもう私のことを忘れてしまいましたか?」

 そんなことあるはずないのに、文彦はどこか窺うように椿の顔を覗き込む。それを感じ、椿はやっと文彦のスーツから顔を上げた。

「そんなっ。好きだって言ったじゃないですか!」

「では帰りますか」

 ふっと目の前がかげる。反射的に目を閉じれば、唇に身に覚えのある感触が落ちた。
 『おー』と苦笑いする編集長の声さえ、椿には届いていなかった。欲しかった言葉がポツリと耳元で囁かれる。

 願わくは、彼の紡ぐ言葉たちを身近に感じられるように。椿は文彦の首に手を回した。



                           12話
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