いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
これをあわせてあと2話になりました。
やぁ、あと少しですねぇ。オマケが長いんで、そんな感じはさらさらしないのですがね。
あと冬休みも少しになりました。正直、正月らしかったのは二日だけ。中高で始めて休み中に勉強をしない日はない、冬休みになりました。
明日はひたすら英語と化学勉強しときます。数学の数列は相変わらず意味が分からず、諦め気味。
英語にいたっては範囲が広いので、もういいかなぁ、と思ってる。そんな暇があるんなら、小説書きたいです。少女漫画的な何かを。
やぁ、あと少しですねぇ。オマケが長いんで、そんな感じはさらさらしないのですがね。
あと冬休みも少しになりました。正直、正月らしかったのは二日だけ。中高で始めて休み中に勉強をしない日はない、冬休みになりました。
明日はひたすら英語と化学勉強しときます。数学の数列は相変わらず意味が分からず、諦め気味。
英語にいたっては範囲が広いので、もういいかなぁ、と思ってる。そんな暇があるんなら、小説書きたいです。少女漫画的な何かを。
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『残る人 残るもの』
「いよいよだな」
今日だった。
ついに帰る日が来た。少し着慣れてしまったドレスではなく、パジャマを着て謁見の間にいる。
少々、いやかなりアンバランスな感じはあるが、周りにいるのはジルとノア、そしてわざわざ見送りに来てくれたルークなので気にしないことにする。
年頃の少女が着る服にしては少々、アレだがこの際それは目を瞑ることにしよう。
この日のために、わざわざ危険な(?)こっちへ来たルークは相変わらず童顔で、優しく笑った。
「そう、だね」
ぎゅっとこぶしを握る。
声が震えてしまわないように、一言一言区切って話した。それが喜びから来るものなのか、寂しさから来るものなのか、今のわたしには分からなかった。
「帰るのか」
数日前に聞かれた問いをもう一度問いかけられた。
「帰るよ」
今度は迷いなく答える。戸惑いも、躊躇もなく――真っ直ぐジルの顔を見て答えることが出来た。
「そうか」
ジルはどこかでわたしの答えを予想しているようだった。
ゆっくりと微笑み、わたしを抱きしめる。
ふわり、と大きな体に包み込まれた。心地よく、安心できる場所はそのまま。
ついつい甘えたくなる、甘えることを許してほしくなる、そういう場所のままだった。
知らず知らず弱くなる、そういう甘さだった。
「お前が、迷いなく言い切ったら……。答えを出したら言おうと思っていたことがある」
振り子のように、心が静かにだけど大きく揺れた。今までこんなに揺れたことはないんじゃないかと思うくらい。
「もしお前が、はっきりと『帰る』と言ったら、そのときは」
好きだと言おうと決めていた。
振り子のように揺れた心は、元のところへ戻ってそれっきり動かなくなった。口を開く。何かを飲み込んで、何かを吐き出すために。
「迷っているときに、こういうことを言うのは反則だろう?」
だから答えを出したとき、伝えようと思っていた。
ずっと、伝えたかったが、怖がられていると思って、伝えることができなかった。どうしても。
「俺は、臆病で、卑怯だから。本当のことを言うと、こんなことを言ってユキノに避けられるのが怖かったんだ」
初めて、この優しい人を傷つけてしまいたいと思った。
わたしのことを『嫌いだ』と思えるくらいに、ズタズタに傷つけてしまいたかった。
これから帰る人間(わたし)が、どんなに自分勝手な人間か伝えたくなった。
そしてできれば嫌ってほしかった。
嫌って、そして忘れてほしかった。長い一生の内の、一瞬の出来事として、記憶の底に沈めてほしかった。
優しく微笑んで、いつも励ましてくれたジルに、わたしは返す言葉がない。情けないことに、不本意なことにその想いさえ受け止めることが出来ない。
「ジル、わたし」
でも、わたしも一つ言いたいことがあった。
「変わったことがあった。ここへ来てから」
それは……。それは。
「あっちの世界が恋しくなったの」
非常なくらい平凡なあちらの世界を初めて愛しく思えた。帰りたいと、願った。
「ここの世界も好きで、大切だけど、やっぱりわたしは向こう側の世界の人間なんだ」
知っている、とジルは笑んだ。
いつ見ても安心する、柔らかい笑顔。それを見て、少しだけ安心する。この笑顔に、いつもわたしは甘えていた。
「お前は自分が優しくないと言った」
自分勝手で我侭で、どうしようもない人間だと哂った。
「でも、違うと思う」
いつだったか、冗談めかしで言ったことを思い出した。
『自分勝手で、どうしようもないんです』と。『優しくないんです』と。
それを、覚えていて、否定する?
自分が生きるために嘘を吐いたのに? ばれていたとしても、こちらは騙したのに?
「優しいから、自分には優しさが足りないと思うんだ。
優しくない人間は、こんな魔王の面倒なんて見ないからな。ユキノは、やっぱり優しい」
――優しいと繰り返すその言葉が、一番優しくて、動きを止めたはずの心がコトリと動いた気がした。
これ以上いたら、泣いてしまうんじゃないかと疑うような、動く音がした。
「ユキノがもし迷っていたら」
耳元でジルがゆるく笑った。苦く、淡く、噛み締めるように。
いつもと少し違う、優しさの中に苦さを混ぜた顔をする。ジルには珍しい表情だった。
「ここへ残そうと思った」
ぎゅっと抱かれる腕が強くなって、そして緩んだ。温かな拘束はまるで幻のように消えた。
トン、と肩を押される。ふら付いて、すぐ後ろにあった魔法陣に足を踏み入れた。
キン、と澄んだ音がした。ガラスが触れ合うような音だった。
淡く淡く、世界が輝いた。
言わなきゃ、言わなきゃだめだ。今言わなきゃ、もう言わない。言えなくなる。
光が周りを覆って、どんどんジルの姿が見えなくなる。
ノアも、ルークも見えなくなる。
世界が、分かれる。
「ジル、ありがとう。わたしも、ジルのこと大切だったよ」
今わたしが返せる、精一杯の言葉だった。
他の言葉を、わたしは持っていない。このよく分からない感情を、ジルに正しく伝える術をわたしは知らなかった。
「だからね」
だから、どうか。
「忘れて、早く」
なるべく早く。
エリスがダンテに願ったように。
寿命の短い“人間”なんか忘れて、と。恋愛感情かどうかなんて関係ない。もしそうであったとしてもかまわない。
ただ大切だから。
笑顔が翳るのを見たくないから。ジルが何かを言っている。でも何も聞き取れない。声さえ届かない。
それが残念だった。最後に聞く声が、悲しそうな声だったから。
何か言ってるのは分かるのに、それが何か分からないなんて。
何本もの淡い光が柱を作る。
わたしを囲んで、そして何も見えなくなって、体から力が抜けた。こっちへ来たときの頃を、ぼんやりと思い出していた。
27話
「いよいよだな」
今日だった。
ついに帰る日が来た。少し着慣れてしまったドレスではなく、パジャマを着て謁見の間にいる。
少々、いやかなりアンバランスな感じはあるが、周りにいるのはジルとノア、そしてわざわざ見送りに来てくれたルークなので気にしないことにする。
年頃の少女が着る服にしては少々、アレだがこの際それは目を瞑ることにしよう。
この日のために、わざわざ危険な(?)こっちへ来たルークは相変わらず童顔で、優しく笑った。
「そう、だね」
ぎゅっとこぶしを握る。
声が震えてしまわないように、一言一言区切って話した。それが喜びから来るものなのか、寂しさから来るものなのか、今のわたしには分からなかった。
「帰るのか」
数日前に聞かれた問いをもう一度問いかけられた。
「帰るよ」
今度は迷いなく答える。戸惑いも、躊躇もなく――真っ直ぐジルの顔を見て答えることが出来た。
「そうか」
ジルはどこかでわたしの答えを予想しているようだった。
ゆっくりと微笑み、わたしを抱きしめる。
ふわり、と大きな体に包み込まれた。心地よく、安心できる場所はそのまま。
ついつい甘えたくなる、甘えることを許してほしくなる、そういう場所のままだった。
知らず知らず弱くなる、そういう甘さだった。
「お前が、迷いなく言い切ったら……。答えを出したら言おうと思っていたことがある」
振り子のように、心が静かにだけど大きく揺れた。今までこんなに揺れたことはないんじゃないかと思うくらい。
「もしお前が、はっきりと『帰る』と言ったら、そのときは」
好きだと言おうと決めていた。
振り子のように揺れた心は、元のところへ戻ってそれっきり動かなくなった。口を開く。何かを飲み込んで、何かを吐き出すために。
「迷っているときに、こういうことを言うのは反則だろう?」
だから答えを出したとき、伝えようと思っていた。
ずっと、伝えたかったが、怖がられていると思って、伝えることができなかった。どうしても。
「俺は、臆病で、卑怯だから。本当のことを言うと、こんなことを言ってユキノに避けられるのが怖かったんだ」
初めて、この優しい人を傷つけてしまいたいと思った。
わたしのことを『嫌いだ』と思えるくらいに、ズタズタに傷つけてしまいたかった。
これから帰る人間(わたし)が、どんなに自分勝手な人間か伝えたくなった。
そしてできれば嫌ってほしかった。
嫌って、そして忘れてほしかった。長い一生の内の、一瞬の出来事として、記憶の底に沈めてほしかった。
優しく微笑んで、いつも励ましてくれたジルに、わたしは返す言葉がない。情けないことに、不本意なことにその想いさえ受け止めることが出来ない。
「ジル、わたし」
でも、わたしも一つ言いたいことがあった。
「変わったことがあった。ここへ来てから」
それは……。それは。
「あっちの世界が恋しくなったの」
非常なくらい平凡なあちらの世界を初めて愛しく思えた。帰りたいと、願った。
「ここの世界も好きで、大切だけど、やっぱりわたしは向こう側の世界の人間なんだ」
知っている、とジルは笑んだ。
いつ見ても安心する、柔らかい笑顔。それを見て、少しだけ安心する。この笑顔に、いつもわたしは甘えていた。
「お前は自分が優しくないと言った」
自分勝手で我侭で、どうしようもない人間だと哂った。
「でも、違うと思う」
いつだったか、冗談めかしで言ったことを思い出した。
『自分勝手で、どうしようもないんです』と。『優しくないんです』と。
それを、覚えていて、否定する?
自分が生きるために嘘を吐いたのに? ばれていたとしても、こちらは騙したのに?
「優しいから、自分には優しさが足りないと思うんだ。
優しくない人間は、こんな魔王の面倒なんて見ないからな。ユキノは、やっぱり優しい」
――優しいと繰り返すその言葉が、一番優しくて、動きを止めたはずの心がコトリと動いた気がした。
これ以上いたら、泣いてしまうんじゃないかと疑うような、動く音がした。
「ユキノがもし迷っていたら」
耳元でジルがゆるく笑った。苦く、淡く、噛み締めるように。
いつもと少し違う、優しさの中に苦さを混ぜた顔をする。ジルには珍しい表情だった。
「ここへ残そうと思った」
ぎゅっと抱かれる腕が強くなって、そして緩んだ。温かな拘束はまるで幻のように消えた。
トン、と肩を押される。ふら付いて、すぐ後ろにあった魔法陣に足を踏み入れた。
キン、と澄んだ音がした。ガラスが触れ合うような音だった。
淡く淡く、世界が輝いた。
言わなきゃ、言わなきゃだめだ。今言わなきゃ、もう言わない。言えなくなる。
光が周りを覆って、どんどんジルの姿が見えなくなる。
ノアも、ルークも見えなくなる。
世界が、分かれる。
「ジル、ありがとう。わたしも、ジルのこと大切だったよ」
今わたしが返せる、精一杯の言葉だった。
他の言葉を、わたしは持っていない。このよく分からない感情を、ジルに正しく伝える術をわたしは知らなかった。
「だからね」
だから、どうか。
「忘れて、早く」
なるべく早く。
エリスがダンテに願ったように。
寿命の短い“人間”なんか忘れて、と。恋愛感情かどうかなんて関係ない。もしそうであったとしてもかまわない。
ただ大切だから。
笑顔が翳るのを見たくないから。ジルが何かを言っている。でも何も聞き取れない。声さえ届かない。
それが残念だった。最後に聞く声が、悲しそうな声だったから。
何か言ってるのは分かるのに、それが何か分からないなんて。
何本もの淡い光が柱を作る。
わたしを囲んで、そして何も見えなくなって、体から力が抜けた。こっちへ来たときの頃を、ぼんやりと思い出していた。
27話
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Re:ジルさんって
天然って言うか、ただの女ったらし。無意識で、ですよ。
いつもはでてこないと言いますが、結構私自分の意識しないところで恥ずかしい台詞とか出してますけど。
アレクに言わせたい。甘い台詞。
いつもはでてこないと言いますが、結構私自分の意識しないところで恥ずかしい台詞とか出してますけど。
アレクに言わせたい。甘い台詞。
Re:無題
化学、勉強しても何の役にも立たなかったよ。
……いいじゃん、私も受験勉強できない子だから。基本、努力を持続することができない子。
……いいじゃん、私も受験勉強できない子だから。基本、努力を持続することができない子。