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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 今日はリハーサルでした。すごく寒かったことしか印象にない。あと出る競技少なくて、ほとんど友人との会話に費やしてた。
 当日はメモ用紙とペンくらい持っていかなきゃいけないかも。
 冗談はさておき、なかなか次書くものに手が出せないので、おとなしく先生と生徒のお話進めます。
 でもパソコンに直接打ち込んでるので、学校ではやることないなぁ……。(おもに世界史とか、地理とか生物とか)

 『姫と騎士』の終わり方で、結構いろんな方々から嬉しいお言葉をいただけたので、調子に乗って短編連作しようかなと思ってたり。
 操りやすい人間ですみません。
 と、言いますか、そんなに微妙すぎる終わり方でした?? 個人的に、『結局ラブラブなんでしょ?』とか思ってたんですけど。

 二次は他のサイト様を見てたら満足なんで、書く気はないし。書いたとしてもドス黒ーいものしか出来上がらないし。
 最近不意に、『向いてない? もしかして』と思ったりします。妄想は好きなんですけどね。
 そんなことを小学校時代の友人に話すと、『妄想はね、亡(な)い女を想うんだよ』と言われました。学校の先生に言われたそうです。
 どんな先生に教わっているのか、ちょっと聞きたい。
 私の場合、『亡いシチュエーションを想う』で妄想です。別に『亡い男』を想ったりしません。
 さーて、魔王サマ終わったら何載せよう。

+ + + + + + + + + +
『嵐の前にも静けさはない』



 呼ばれて、また勝手に肩が震えた。
 押さえようとして両手で肩を抱きなおし、体を縮めるが効果はなかった。
 小さい声だから、少し離れてしまえばすぐに消えるはずなのに、わたしは立ち上がることができなかった。

「図書室に置いたままだったものを、ここへ置いておく」

 羊皮紙とペン、それが残ったままだったから、わたしに何かあったと分かったのだろうか。
 そう疑問に思うも、問いかけることができなかった。

「ユキノ」

 何度も名前を呼ばないでよ、と泣き出しそうな声が出た。
 当然のようにそれは相手に届かず、自分の耳朶を震わせただけだった。情けない声を出さないように唇をかみ締める。

「俺は、謝らなければいけないな」

 どこか自分に言い聞かせるような響きを持った声。

「裏切り者を生かしておけば国は必ず滅んでしまう。だから俺はあのときしようとしたことが全くの間違いだと思うことはできない。
――だが話も聞かず、ただ殺そうとしたことは、間違いだと思う。……だから、謝る」

 どうして、そこで謝るという発想になるんだろうか。それは、わたしに謝るべきことではない気がした。
 少しだけ身じろぎすると、背を預けていた扉がギシリと鳴る、それだけでおびえている自分がいた。

「ユキノに、ああいうことを言わせて悪かったと思う。ユキノは言いたくなかったはずだから」

 それを聞いて、思わず怒鳴りそうになった。
 使い古されている台詞だけど『あんたにわたしの何が分かるの?』と。それと同時に涙がこぼれてしまいそうだった。
 一回修正されたはずの堰はいとも簡単に崩れ去ろうとしていた。
 たった一週間と数日。たかだか日に数時間、時を共に過ごすだけなのに、この人はまるでわたしが本当にそう思っているかのように言う。
 当たり前のように、それが本当であるかのように、口に出す。
 いい人なんかでないのに、いい人だと言われたようで。罪悪感がわたしを幾度となく責める。幾度も、幾度も。


 どうしてわたしは、この人に嘘をついているのか――と。


 ジルがわたしの部屋から去った後、わたしはベッドに体を横たえた。

「わたしは間違ってない」

 ポロリと涙が出た。首だけで扉の方に向け、目を瞑る。わたしは自分勝手だ。でも、だからって。

「何でわたしが、ここにいるの!?」

 何もかもに負けてしまいそうだった。


『あなた、意外に脆いのね。もっと、強い子かと思ってた』

 自分勝手なわたしが、弱くて悪いって言うの?

『ふぅん。でも強くあろうとはするのね。それ、辛くない?』

 辛くなんて……。

『ないって言い張る?』

 言い張れない。そんな自分が情けなくなった。

『でも、そうね。そういうところは私に似ている』

 『私』は誰?

『私、はわたしであり、わたしでない。あなたのようで、あなたでない』

 どういう、意味か分からない。

『分からなくてもいいのよ』

 ――今は、ね。

 いつか分かるというの?

『ええ、いつか、はね』

 そのいつかは何時(いつ)?

『それは、あなた次第』

 それは、わたし次第?




 パタパタと、慌(あわただ)しい足音に目が覚めた。
 いつの間に眠っていたせいか、微妙にまぶたが腫れぼったく感じた。
 "泣きながら寝たんだ"と他人事のように感じて、少しおかしく思ったが勢いをつけて跳ね起きる。
 ぐいっと背筋を伸ばすように手を上げて、両頬を叩いた。

「よし」

 気合を入れるために小さく声を出す。
 どうやったって帰れないのなら、ここで生きていくしかないのだ。そう無理矢理に納得させようとして、失敗しそうになる。
 鼻の奥が痛くなって、泣き出しそうになるところを寸でのところで抑えつけた。

「ここへ来て、よく泣いてる」

 それが悪いことだとも明言できずにいるとき、トントンとドアがノックされた。

「賢者様、いつもより少し早いのですが、入ってもよろしいでしょうか?」

「どうぞ」

 来たばかりのころは高飛車な、というか高慢な話からをしていたのだが、今はすっかり前と一緒だった。
 そもそも初めてのここでの発言は『夢の中』という実現とは何の関わりもない世界だという認識の下、発せられたのだ。
 夢でないということを実感し、もしかしたら帰れないかもしれないということを知った今、前のような話し方はできない。
 小心者ですから。
 結局、前と同じ、あいまいな笑顔と態度がわたしのスタイルになっている。

「申し訳ございません。至急、お呼びするようにとの魔王陛下からのご命令ですので」

 そういうが早いか、わたしの着ていた寝巻きは剥ぎ取られ、新しいドレスを着せられていた。髪もきちんと結われている。
 時々思うのだが、ここのメイドさん、やたら魔術みたいなものを使っている気がしてならない。
 そうでもしなければ、こんな芸当できない気がするんだけど。

「では、ご案内いたします」

「いつものところでは……」

「今日は大臣様たちもお見えになりますから」

 メイドさんはわたしの前に立ち、そしてこちらを見てニコリと笑った。

「皆様、お待ちになっていらっしゃいます」

 暗に早くしろと言ってます?




                           12話
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