いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
今日は遅れず更新ー。友人と楽しくお話しながら帰りました。マックの店員さん(含バイト)は大変らしいです。
と、いいますか、最近更新が少ないのは体育祭の練習があるからなんです。もうね、去年同様真っ黒。
年頃の女の子なのに(?)真っ黒です。肌が痛い……。
体力もついていかず、一人ひたすら下を向いてます。そのうち貧血かなんかでぶっ倒れそうです。
それでも男子は元気に馬鹿騒ぎやってますよ。どうしてそう騒ぐ体力があるのか非常に不思議です。
その体力をいくらか分けていただけませんか? とまじめにお願いしたい。
『図書館戦争』(弓きいろ版)の四巻が出たそうで。私はLaLaを買ってますから、コミックはとりあえず買ってません。
でもオマケに負けてそのうち買ってしまいそうです。
次巻はほら『俺の女です』発言があるからっ!!
でもね、次巻の予告に本編出さずに、番外編だけ出すのもいかがかと……まぁ、いいけど。堂上教官が素敵なら。
と、いいますか、最近更新が少ないのは体育祭の練習があるからなんです。もうね、去年同様真っ黒。
年頃の女の子なのに(?)真っ黒です。肌が痛い……。
体力もついていかず、一人ひたすら下を向いてます。そのうち貧血かなんかでぶっ倒れそうです。
それでも男子は元気に馬鹿騒ぎやってますよ。どうしてそう騒ぐ体力があるのか非常に不思議です。
その体力をいくらか分けていただけませんか? とまじめにお願いしたい。
『図書館戦争』(弓きいろ版)の四巻が出たそうで。私はLaLaを買ってますから、コミックはとりあえず買ってません。
でもオマケに負けてそのうち買ってしまいそうです。
次巻はほら『俺の女です』発言があるからっ!!
でもね、次巻の予告に本編出さずに、番外編だけ出すのもいかがかと……まぁ、いいけど。堂上教官が素敵なら。
+ + + + + + + + + +
『魔王らしい魔王サマ』
どんなに不安でも、心細くても、ノアに何か言われても、賢者の偽者だとばれたときでさえ出なかった涙が頬を伝い、流れた。
寝た体勢のままで、涙が髪の毛に吸い込まれる。声を上げることもできず、涙を流した。悔しかったのかもしれない。
その理不尽さに腹が立ったのかもしれない。自分でもどうしてないているのか分からなかった。
そのときバンッと小さくて、でも耳に響く爆発音がした。
涙の溜まっている瞳には人影しか映らず、それが敵なのかどうかさえ分からない。
部屋に入ってくる光はもうほの暗く、涙をぬぐってもはっきりとしなかった。
体が、動く?
「ルーフルル卿。どうして貴殿がここにいる?」
顔は全く判断できず、誰かも分からなかったのに、声が聞こえて体が震えた。
その声さえいつもと全く違うものだけど、それでも分かった。だって、初めて聞いたときから体が震えるものだから。
「ジル」
どうしてここにいるのと続く言葉が出てこなかった。
感情を押し殺した声が、余計に怖く感じた。いつも柔らかいとしか感じなかった声は硬くて、冷たい。
まるで見知らぬ魔王のようだった。――少し前に見た前魔王、ダンテ・リュシラーズ様のようだった。
「魔王陛……」
「答えよ」
自分に向けられていないにも拘らず、ぴくりと体がはねた。
のど笛にナイフを押しつけられた感覚が部屋中に満ちる。そこへまた一人、部屋へ入ってくる人がいた。
「魔王陛下、お待ちください」
先程までわたしを見下していた人と同じ髪色、同じ瞳。
いつも人を見下しているような表情が、今はひどく張り詰めた表情に変わっている。その視線はジルと自分の叔父に向けられている。
「この行為、俺への謀反と考えていいな?」
「決してそのような……!!」
そう言う男に何か言ってやりたかったが、口の挟めるような状況ではなく大人しく口を閉じた。
「では何故、こんなところへ賢者殿といる?」
「魔王陛下」
コツン、と男に歩を進めたジルの前にノアが跪く。
ジルが冷たくノアを見つめていた。どこか温かささえ感じられた深い蒼の瞳は冬の水面のように揺れている。
澄んでいて、波紋を広げて、凍るくらい冷たい。
「ノア、どけ」
ノアの体が大きく震えた。
その一言がどれだけの力を持っているのか、わたしにははっきりと分からない。しかし、ノアの体を震わせるには十分な力はあった。
「お言葉ですが、陛下」
「どけ!!」
強いその一喝だけで、空気が震えノアの体が中を舞い、壁に叩きつけられた。
思わず目を瞑るが、ドン、と重く鈍い音がその威力を語っていた。
「答えよ、ルーフルル卿。答えようによっては貴殿はここで死んでもおかしくない」
ノアに目も向けず、ジルは問う。バチンと空気が弾けそうになるのを感じながら、わたしはそれでも何もできなかった。
ぐったりとしているノアにも、真青に顔を硬直させた男にも、激しい怒りを押さえつけているジルにも――わたしの姿は見えていなかった。
「魔王陛下!」
「貴殿に――。弁解の余地が与えられていると思うか?」
ヒンヤリとした言葉が空気を凍らせていく。身動きが取れない中、どくんと心臓が大きく動いた。
わたしの日常に、『人が殺される』ということは入っていない。
いくらここで、"ソレ"が普通だとしても、わたしの『普通』には入らない。わたしの中で、裏切りは死に繋がらない。
だからだろうか、初めてここへ来て自主的にわたしは行動を起こした。
「ジル。殺さ、ないで」
凍りついた空気に響く自分の声はやけに落ち着いている。
騒がしく鳴る心臓など、微塵も感じさせない声はまるで自分が発していないかのようにも感じられた。
あの不思議な声と同じトーンのようでいて、でもやはり違うわたし自身の声。
「その人を殺して、どうするの?」
「ユキノ」
少しだけ、声が緩んだ気がした。それでもまだ、冷たかった。
「俺を偽る。それはこの国で、死を意味する」
それなら、わたしもだ。わたしもジルを偽っている。騙している。それが、ばれていないだけだ。
ジルを騙している自分自身に腹が立っているはずなのに、その矛先はジルに向かった。
「わたしが、『人』として助言しているとでも思ってる?」
どうして、偽りがそのまま死に繋がらなければいけない? 嘘をつかずにいられる人なんて、ほんの限られた人しかないのに。
そんなの、どこまでも幸せで、何も考えていない人にしかできないのに!
生きていくためには、吐かなければいけない嘘だってあるのに! どうして、それが罰せられるの?
「違う。わたしは『人』として言ってるんじゃないよ」
どうして、それを死に繋げてしまうの?
「わたしは『賢者』として『魔王』のあなたに、言っているのよ?」
正当化している自分に嫌気が差す。嘘を、偽りを当然だと言ってしまう自分が心底嫌になる。
それでも『偽ったから』という理由で男が殺されるのが嫌だった。だって――。
それを認めてしまえばわたしは、きっと自分が生きていることを恐れるようになる。
ジルを騙していることを、心苦しく思ってしまう。そんなの、仕方ないのに。
もうどうやったって、それは変えられないのに。それを、後悔してしまう。
「そうやって、すぐ殺して……。それは性質(たち)の悪い独裁者だ。それならわたしは、そんな王いらない」
多分わたしは言ってはいけないことを言ってしまった。その気配を空気で感じ、言葉を止める。
「わたしは無事だったし、この人にも適切な処置をすればいいと思うの」
先程の落ち着いた口調が崩れた。とりなすような言葉を言うも、その場の空気は変わらなかった。
縛られている手足も痛みを訴え始め、大人しくなるとジルが動いた。
「ユキノ」
近付いてくるジルの声に肩が震える。
その声は、傷ついていた。それが自分の身勝手さの結果だと知り、震えは大きくなる。
『ごめんなさい』と謝るべきなのに、それを言ってしまえばその言葉と一緒に全てを話しそうになって止めた。
「解いて……」
僅かに出たその言葉はひどく弱く、冷えていた。ジルはどんな風にこの言葉を受け取るのかとぼんやりと考える。
血の止まるような感覚がなくなり、手と足が自由になった。
痺れるような痛みが続く手を握ったり開いたりしながら、わたしはジルと視線を合わせられずにいた。
「ありがとう」
本当に言わなければいけない言葉の代わりを呟きながら、顔を見ずに立ち上がる。そして足早に扉へ向かい、部屋から出た。
新鮮な空気と、部屋より少しだけ多い光を感じ、慌てて周りを見渡す。
図書館に程近い、入ったことのない部屋だった。ここからなら自分の部屋へ帰るまでに迷うことはない。
そう気付いた瞬間、走り出した。重いドレスの裾を気にせず、ただ自分の部屋へ向かった。
かすかに、後ろから呼ばれている気がした。
「最低だ」
身勝手な自分に腹が立ち、自分の部屋に入ると同時に扉へ寄りかかる。
頭を抱え、泣きそうになっている自分に言い聞かせる。肩を両手で抱いて、震える体を押さえつけた。
「言わなくて、正解なんだ」
だって死にたくない。
「偽り続けなきゃ、生きられない」
そう仕向けたのはわたしだ。それに気付いて、また泣き出しそうになった。
コン、とそのとき、遠慮がちに扉が鳴った。
小さく、本当に小さく一回だけ鳴ったが出る気にならず、じっとしていると声がかかった。
「ユキノ」
11話
どんなに不安でも、心細くても、ノアに何か言われても、賢者の偽者だとばれたときでさえ出なかった涙が頬を伝い、流れた。
寝た体勢のままで、涙が髪の毛に吸い込まれる。声を上げることもできず、涙を流した。悔しかったのかもしれない。
その理不尽さに腹が立ったのかもしれない。自分でもどうしてないているのか分からなかった。
そのときバンッと小さくて、でも耳に響く爆発音がした。
涙の溜まっている瞳には人影しか映らず、それが敵なのかどうかさえ分からない。
部屋に入ってくる光はもうほの暗く、涙をぬぐってもはっきりとしなかった。
体が、動く?
「ルーフルル卿。どうして貴殿がここにいる?」
顔は全く判断できず、誰かも分からなかったのに、声が聞こえて体が震えた。
その声さえいつもと全く違うものだけど、それでも分かった。だって、初めて聞いたときから体が震えるものだから。
「ジル」
どうしてここにいるのと続く言葉が出てこなかった。
感情を押し殺した声が、余計に怖く感じた。いつも柔らかいとしか感じなかった声は硬くて、冷たい。
まるで見知らぬ魔王のようだった。――少し前に見た前魔王、ダンテ・リュシラーズ様のようだった。
「魔王陛……」
「答えよ」
自分に向けられていないにも拘らず、ぴくりと体がはねた。
のど笛にナイフを押しつけられた感覚が部屋中に満ちる。そこへまた一人、部屋へ入ってくる人がいた。
「魔王陛下、お待ちください」
先程までわたしを見下していた人と同じ髪色、同じ瞳。
いつも人を見下しているような表情が、今はひどく張り詰めた表情に変わっている。その視線はジルと自分の叔父に向けられている。
「この行為、俺への謀反と考えていいな?」
「決してそのような……!!」
そう言う男に何か言ってやりたかったが、口の挟めるような状況ではなく大人しく口を閉じた。
「では何故、こんなところへ賢者殿といる?」
「魔王陛下」
コツン、と男に歩を進めたジルの前にノアが跪く。
ジルが冷たくノアを見つめていた。どこか温かささえ感じられた深い蒼の瞳は冬の水面のように揺れている。
澄んでいて、波紋を広げて、凍るくらい冷たい。
「ノア、どけ」
ノアの体が大きく震えた。
その一言がどれだけの力を持っているのか、わたしにははっきりと分からない。しかし、ノアの体を震わせるには十分な力はあった。
「お言葉ですが、陛下」
「どけ!!」
強いその一喝だけで、空気が震えノアの体が中を舞い、壁に叩きつけられた。
思わず目を瞑るが、ドン、と重く鈍い音がその威力を語っていた。
「答えよ、ルーフルル卿。答えようによっては貴殿はここで死んでもおかしくない」
ノアに目も向けず、ジルは問う。バチンと空気が弾けそうになるのを感じながら、わたしはそれでも何もできなかった。
ぐったりとしているノアにも、真青に顔を硬直させた男にも、激しい怒りを押さえつけているジルにも――わたしの姿は見えていなかった。
「魔王陛下!」
「貴殿に――。弁解の余地が与えられていると思うか?」
ヒンヤリとした言葉が空気を凍らせていく。身動きが取れない中、どくんと心臓が大きく動いた。
わたしの日常に、『人が殺される』ということは入っていない。
いくらここで、"ソレ"が普通だとしても、わたしの『普通』には入らない。わたしの中で、裏切りは死に繋がらない。
だからだろうか、初めてここへ来て自主的にわたしは行動を起こした。
「ジル。殺さ、ないで」
凍りついた空気に響く自分の声はやけに落ち着いている。
騒がしく鳴る心臓など、微塵も感じさせない声はまるで自分が発していないかのようにも感じられた。
あの不思議な声と同じトーンのようでいて、でもやはり違うわたし自身の声。
「その人を殺して、どうするの?」
「ユキノ」
少しだけ、声が緩んだ気がした。それでもまだ、冷たかった。
「俺を偽る。それはこの国で、死を意味する」
それなら、わたしもだ。わたしもジルを偽っている。騙している。それが、ばれていないだけだ。
ジルを騙している自分自身に腹が立っているはずなのに、その矛先はジルに向かった。
「わたしが、『人』として助言しているとでも思ってる?」
どうして、偽りがそのまま死に繋がらなければいけない? 嘘をつかずにいられる人なんて、ほんの限られた人しかないのに。
そんなの、どこまでも幸せで、何も考えていない人にしかできないのに!
生きていくためには、吐かなければいけない嘘だってあるのに! どうして、それが罰せられるの?
「違う。わたしは『人』として言ってるんじゃないよ」
どうして、それを死に繋げてしまうの?
「わたしは『賢者』として『魔王』のあなたに、言っているのよ?」
正当化している自分に嫌気が差す。嘘を、偽りを当然だと言ってしまう自分が心底嫌になる。
それでも『偽ったから』という理由で男が殺されるのが嫌だった。だって――。
それを認めてしまえばわたしは、きっと自分が生きていることを恐れるようになる。
ジルを騙していることを、心苦しく思ってしまう。そんなの、仕方ないのに。
もうどうやったって、それは変えられないのに。それを、後悔してしまう。
「そうやって、すぐ殺して……。それは性質(たち)の悪い独裁者だ。それならわたしは、そんな王いらない」
多分わたしは言ってはいけないことを言ってしまった。その気配を空気で感じ、言葉を止める。
「わたしは無事だったし、この人にも適切な処置をすればいいと思うの」
先程の落ち着いた口調が崩れた。とりなすような言葉を言うも、その場の空気は変わらなかった。
縛られている手足も痛みを訴え始め、大人しくなるとジルが動いた。
「ユキノ」
近付いてくるジルの声に肩が震える。
その声は、傷ついていた。それが自分の身勝手さの結果だと知り、震えは大きくなる。
『ごめんなさい』と謝るべきなのに、それを言ってしまえばその言葉と一緒に全てを話しそうになって止めた。
「解いて……」
僅かに出たその言葉はひどく弱く、冷えていた。ジルはどんな風にこの言葉を受け取るのかとぼんやりと考える。
血の止まるような感覚がなくなり、手と足が自由になった。
痺れるような痛みが続く手を握ったり開いたりしながら、わたしはジルと視線を合わせられずにいた。
「ありがとう」
本当に言わなければいけない言葉の代わりを呟きながら、顔を見ずに立ち上がる。そして足早に扉へ向かい、部屋から出た。
新鮮な空気と、部屋より少しだけ多い光を感じ、慌てて周りを見渡す。
図書館に程近い、入ったことのない部屋だった。ここからなら自分の部屋へ帰るまでに迷うことはない。
そう気付いた瞬間、走り出した。重いドレスの裾を気にせず、ただ自分の部屋へ向かった。
かすかに、後ろから呼ばれている気がした。
「最低だ」
身勝手な自分に腹が立ち、自分の部屋に入ると同時に扉へ寄りかかる。
頭を抱え、泣きそうになっている自分に言い聞かせる。肩を両手で抱いて、震える体を押さえつけた。
「言わなくて、正解なんだ」
だって死にたくない。
「偽り続けなきゃ、生きられない」
そう仕向けたのはわたしだ。それに気付いて、また泣き出しそうになった。
コン、とそのとき、遠慮がちに扉が鳴った。
小さく、本当に小さく一回だけ鳴ったが出る気にならず、じっとしていると声がかかった。
「ユキノ」
11話
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