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いつきが日々を綴ります。日々のぐだぐだを語ったりしてます。時々本の感想が紛れ込んでたりするかもです。
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 短編祭り、第二弾です。

 今日は色々あったので、少し疲れ気味。まぁ、月曜日は午前授業、火曜日は休みなので、ゆっくり休めるんですけど。

 それはそうと、最近朝ドラにはまってます。最初は結構、叩かれてたんだけど、言われてるほど面白くないとは思わないです。
 と、言いますか、私は好きですけどね。恋愛色少なめなわりに面白くて、土曜日に一週間分、まとめてみてます。



 さてさて、お題使用第二弾ですけど、今回は先生×生徒です。
 ちょっとせつなめをコンセプト……にしたはずです。昨日更新するはずだったのに、なぜか投稿できませんでした。(涙)
 私の二時間の努力はどこへ(←遅筆)

 興味のある方はどうぞ。

+ + + + + + + + + +
『忘れられない約束がある』(お題はFortune Fateさまからお借りしました)



 
 あたしには、忘れられない、約束がある。……約束ともいえない、言葉かもしれない。


 現在、三月三十一日、午後十一時五十分――。
 もう少しで、四月一日。携帯で時間を確認したあと、時計を引き寄せた。ベッドの上に座り、秒針を見つめる。

 カチコチと蛍光塗料の塗られた針を見つめる。携帯を枕元におき、時計を持ったまま寝転がった。
 カチ、カチと音だけが耳に入る。もう、家のみんなは寝静まってしまっているようだった。

「どう、するんだろ」

 独り言を呟く。どうしようもなく、嫌な予感が胸をよぎる。

 ご存知だろうか、あたしはまだ、高校三年生だ。あと十分間だけ。
 今月の六日に卒業式を迎えたあたしでも、三月三十一日まではまだ高校に在籍している。
 つまり、まだ高校生。

 去年卒業した春姉(はるねえ)は『あぁ、三十一日? 今日が』とまったくもって動揺しなかった。
 そんなものかと思っていたが、自分の身に降りかかると随分違う。
 不安が先にたつ。大学が楽しみなのは変わらないのに、何より何がどう変わるか分からないのが嫌だ。

 それに、今日は約束の日だった。

『お前が、本当に高校生でなくなる日、言うから』

 何をか分からない、思い出すのは、先生の言葉だった。

 何もできなかった。卒業式の日でさえ、自分の気持ちを言えなかった。心を託したのは、一枚の絵のみ。
 それも、絵とは呼べないような代物だった。

 余白の目立つ、キャンバスに描いたアクリル画……。Fサイズの0号……。先生はきっと、キャンバスにサイズがあることさえ知らない。

 絵を思い出し、慌てて頭(かぶり)を振った。あの絵は叶わない思いを描いた絵だ。
 消せない、かといって伝えられない思いのはけ口でしかない。

 期待は、していなかった。なのに、引き止められて、ほんの少しだけ希望を見てしまった。

「高校生の告白は、断りにくいですか? 先生……」

 誰もいないのに、聞いてみる。答えがないのに、なぜかそうだと言われた気分になって泣きそうになった。

「高校生でなくなったら、遠慮なく、断りますか?」

 自嘲して、一緒に涙が出た。
 
 いつだったか、春姉が言った。『諦めなければいけない恋もあると』
 幸せな恋をしているはずなのに、そう言った姉の気持ちが分からなかった。
 いつだって、春華を見続けていてくれた幼馴染を恋人に持っているのに、どうしてそんなことを言ったのか、今でも分からない。

『ねぇ、藍華。そう思わない? 諦めなくちゃいけない恋――――諦める努力をしなくちゃいけない恋があると思う。
だって、結ばれるだけが恋なら……誰も失恋なんかしない』

 何も聞けず、何も言えなかった。

『始めから、恋なんてしなければいいのにね、人は』

 そう言ったのは、もしかしたら、瑲(そう)さんが帰ってくる前だったかもしれない。

「お姉ちゃんは、瑲さんを諦めようと思ったことがあるの?」

 だから、そんなふうに、苦しいことを言うの。

 どうしてそのとき聞けなかったか分からない、だけど分かっていたのだろうか、姉には。

 この恋の結末が。

「諦め、られるよね?」

 それでも、次の恋に行くのには、深手過ぎるだろうか。そう思ったときだった。

 携帯が、震えた。

 携帯を持つ。見知らぬ番号がそこにあったが、かけてきた人間には心当たりがある。
 まさかと思い、時計を見ると十二時を指していた。
 
 手の中で、携帯が震える。心を揺さぶるように、震え続ける。
 切ってしまおうか、バイブレーションを消してしまおうかと、考えがよぎるが、恐る恐る、握っていた手を開いた。

「もしもし……」

「遅い」

 不機嫌そうな声も、卒業式のままで、少しだけ安心する。きっとあたしを傷つけるそのときまで、その声だろうと思った。

「まさか、日付が変わるときに……しかも電話でかかってくるなんて思いもしませんでしたから」

 早口になっているのが分かる。いっそ、先生に何も言わせないまま、会話を終わらせてしまおうかとも思ってしまう。

「約束は、守るほうだから」

 知っていますと、言いたかった。だけど、たかが三年の付き合いだったことを思い出し、その言葉を呑んだ。

「……どう、いうことを言うんでしょうか」

 もう、ここまで来たら、いっそ潔く言われるほうが良いだろう。変な気遣いは痛い。
 でももう少し、自覚したこの感情を大事にしたかった。

 枯れるだけの思いも、花開くことのない想いも大切にしたかった。

 もう少しだけ、時間があればよかったと、今更ながらに思った。

「高校生に手を出すのが嫌だったって言ったら、どうする?」

「…………」

「返事がないのはどう取ったらいい?」

 先生の言葉を、どう取ったら良いですか?

 どうしたら、その優しい声の『本当』が分かりますか?

 いつだって、少し意地悪そうな声なのに。不意に優しい声を出されるとそれだけで何もできなくなった。

 何か言わなくちゃいけない。何か……何か。

「平田……」

「先生は、恋をしない人だって、聞きました」

 若干、電話の向こうでため息が吐かれた。

「誰が言ってた」

「春姉」

「平田その二か」

 その言い方に、思わず噴出した。

「その二って」

「どうしようか、迷ったんだ」

 突然、声が落ちた。一回だけ見た、寂しそうな顔が重なる。またあんな顔してるんだろうか。

「傷つけるだけなら、近づくなって言われたとき、正論だなって思った」

 誰にとは言わなかったが、明らかに言った人間は春姉だろう。

「それでも近づくんなら、気持ちの落とし前つけろって」

 随分と、男前な言い方だと思う。

「それでまた、同じ失敗をしそうになった」

 俺、お前を結構気にってたなって、卒業式の日に実感したよ。

 いなくなって、絵を見て、どうにかして引き止めたかった。

「何にもせず、後々後悔するのは一回で十分だ」

 過去のことを言っている。だけどそれをあたしは一部分しか知らない。だけど聞きたくなかったのも事実で。
 過去の、恋愛話なんて、聞きたくなかったと思ったあの頃から、もしかしたらこの感情は存在していたのかもしれない。

「先生」

 言葉を、くれませんか?

「あたしはもう、先生に言葉を送りました」

 『過去形ではない』告白の言葉を。

「先生が引きずっていた告白は――過去形だったんでしょう? だけどあたしは、あのとき、まだ」

 まだ好きで、諦め切れなかった。

 だから、あたしに…………諦めの悪いあたしに。

「言葉をください」



 しばらく迷ったあと先生が出した言葉は、正確に言えばあたしがほしい言葉ではなかった。

「お前の、絵が見たい」

 だけど、それでも十分かなって、思うんです。


 先生の『本当』まであと五センチ。



――――――――――――――――――――――――――――


 
 よく分かんなくなってきました。書いてて。

 まぁ、うちの男どもはヘタレが多いという結論が出ただけなんですけど。
 先生は春華ちゃんから藍華ちゃんの携帯番号を聞きました、という裏設定。

ちなみに、先生が引きずってる過去は『過去形』のことです。(という裏設定その二)

 結局追いかけなかったんだなぁ、と思ってくだされば。(笑)
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あれぇ?
いつきサン。
これは軽くネタばれですよ?
何ですか、私の先生ストライク度を又上げて、何する気ですか?(『何も。』って返事は止めてね?)
とりあえず、更新お疲れ☆
本編も楽しみにしてるから★
M@重臣 2009/01/31(Sat) 編集
ネタバレ
になるかな? 最後はあやふやな終わり方をしようとは思ってるんだよね。
 ほら、あやふやが好きだし。

先生がストライクとか、やっぱり私は狙って描いちゃだめな気がする。
あんまりこう、ストライクじゃないんだよね。私の。


 あ、あしたCD持っていきます。
いつき 2009/02/01(Sun) 編集
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でも本人は精一杯急いでいるつもりだったりします。
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